shiro's nest -34ページ目

各駅停車

波紋に指を拡げたら

小さなカケラが溶けていった

シルバーのジッポで壊した水面

さみしさは、また、すこし、大きく



流れに身を任せた背泳ぎで

向こう岸を目指しながら

僕は空を見つめるだけ



小さなねぐらに一人

ちいさな夜寝坊さん

毎日毎日の日々のなか

少しだけ未来が見えない


僕は空を見つめるだけ

僕だけの空はまだ晴れない

愛らしい小鳥は遠き空へ

僕の知らない水辺できっと

美しい歌を謡うのだろう






しろ

キャンパスライフ

070804_1633~01.JPG
左足を軸にして

くるっとまわる一人のコンパス

まわった範囲はちいさくて

僕のこころはさむくなる


誕生石をくわえる犬は

きっと誕生日を知っている

なんども忘れてしまいそうで

なんども石に尋ねてる



わん ふぉ あ おおるの子供達

大きくなったら おおる ふぉ わん

からだが大きくなるように

決して誤謬も小さくない


飛び込んでみた知らない世界

あたたかくはないけれど

新しいこの世界では

僕の両手は掴み続ける

わるいものとよいものと

とにかくなんでも掴んでみて

ひとつ

すこし

おとなになる

嘘をついたらまわり道

嘘をほんとにしていけば

嘘を嘘で塗りたくり

できたその絵は美しく

観覧客が大入りで

他の誰かも喜ぶだろう

僕が喜ぶ その顔より

他の誰かは笑い合う

僕が喜ぶ その顔は


いつかはきっと悪くない

できるかぎりの大きな絵のもと

満面の顔でsay GOOD bye





しろ

フェイク ザ サン

かざした手はあたたかかった

凍えたあなたをあたためる

凍えたあなたは その手を取って

春色の夢を見る


春はやがて夏になり、
夏はやがて秋になる。
秋を越えればかんたんに凍え、
秋を越えればかんたんに凍え、


かざしたその手は暖かかった

凍えた時計はまわりだし

二度とは元に帰らない


かざしたこの手はあたたかい

一度かざせば戻れない

そんなハートを見つけては

かざすこの手と裏腹に



かざしたこの手はあたためない

天宙に浮かぶお天道様みたいに







しろ