shiro's nest -103ページ目

海へと

我を忘れて走り出した。
錆だらけの自転車に、パーカーとリュックを積み込んで、捨てられた二人は規則正しく夜の道をひた走る。



自分が嫌で

誰もに騙され

頼るものなんて一つもないんだ



単純化して幾度か反芻してみても、結果は覆ることもなかった。

僕はほんの少しだけほっとして、目の前だけを見つめ、視覚には平行に映らない電灯の列に向かって力を込める。



こびりついた錆を振り払うかのように車輪は唸りを上げ、たわんだチェーンに身を任せる。

きっと何年も捨てられたまま放置されてきたはずなのに、彼らは絶妙なコンビネーションを見せ、僕に軽い嫉妬を抱かせる。

坂道を駆け上がり、峠を通り抜け、山を越えたその先は、どこまで続くともしれない平坦な陸の海が広がっていた。

僕は初めて恐怖を感じる。

単に広いだけの平面に。

起伏のない無味乾燥に。

それから三日三晩。ひたすらに走り続けて、ようやく僕らは動けなくなった。

ここに来るまでに物以外のモノが気付けばずいぶんと増えている。

目の前には静かな海が、僕だけを静かに見つめている。

僕の住む家は海が程近い場所にある。僕は疲れた頬を振るわせてニヒルに笑う。

白猫は知っている

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空がとても綺麗だから

原っぱで体育座り

南南西の風を待つ

ピュー サャアアラ
風が吹くと

体育座りは もういない


世界には たったひとつだけ

体育座りを飛ばせてくれる

原っぱと南風のコラボがある




しろ

強いって こんなものでしょう?

鈍い疲れに覆われて

体の中には棘だらけ
だるい身体を引きずって

なぜだか私は体を起こす

そんな毎日に
ウンザリしたい自分を見て

やっとなぜだかわかってくる


重いんだ 家族がいるって

逃げ出したいんだ

狭いばかりの この箱から



ひとりでいれば良かったのに




思いを巡らす姿を見て

やっとなぜだかわかってくる

意思なんて そんなに堅いばかりじゃない

ただ 今は背負っていたい

少しだけ 指先で触れた位の温もりで


今日も私は体を起こし

見知らぬ人に頭を下げる


意思なんて そんなに堅いばかりじゃない

明日も私は繰り返す

それが今は悪くない

見送る笑顔が

なんて綺麗なんだろう

大丈夫

きっと明日も そう思う





しろ