ガラスを割れ~天使はアスファルトに眠る~14 | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

美空は、目の前で起こった惨劇と、

友梨奈のただならぬ気配に、

ただ震えている。

 

「さあ、彩だ。お前が抱きしめてやれ」

 

友梨奈は、彩の亡骸を美空の足元に

そっと横たえた。

 

しかし、美空は彩に駆け寄ろうともせず、

怯えた目で友梨奈と、

その背後で銃を構え直す男たちを交互に見る。

 

「そ、そんなことより…!

あいつらを、なんとかしてよ!

私まで殺されちゃうじゃない!」

 

彩の死を悼むよりも、

自分の保身しか考えていないその言葉に、

友梨奈の中で何かが弾け飛んだ。

 

「あんたは…!!

彩を抱きしめろっつってんだよ!!

あんたのために…!あんたのために、

この子は死んだんだぞ!!」

 

友梨奈の怒声が、埠頭に轟いた。

 

それは、普段の彼女からは

想像もできないほどの、激情だった。

 

美空は恐怖に顔を引きつらせ、

へなへなと座り込む。