男達は部屋の奥へと進んでいく。
「早くにげて!」
理佐は再び叫び、
天と俊司が無事に逃げられるように
イスを男たちに投げつけて時間を稼いだ。
天と俊司は窓から外に出ようと必死だった
天の心には
理佐の勇気と犠牲が深く刻まれていた。
だが、天が窓を開けた瞬間、“シュン”と
男が発砲した消音拳銃の音がなり
天の背中に命中した。
天は倒れ込んだ。
そして男が二人、入ってきて
俊司を取り押さえた。
「悪かった!!助けて。」
俊司は叫んだが
男二人は俊司の口を手で塞いで
拳銃を心臓にあてて発砲した。
俊司は絶命した。
天は倒れながらその光景を見ていたが
やがて力尽きた。
理佐はイスを振り回して抵抗していたが
男の一人が拳銃を取り出し
理佐にめがけて発砲した。
銃には消音装置が取り付けられていた。
“シュン”と軽い音が2発鳴った。
弾丸は理佐の右胸と腹部に命中した。
理佐はうつ伏せに倒れ込んだ。
そして、最後に言葉を振り絞った。
「友梨奈・・・ごめん。」
理佐は静かに息を引き取った。
男たちは急いで去って行き
部屋には理佐たちの遺体だけが残っていた。