ガラスを割れ ー復讐の刃ー 3 | じゅりれなよ永遠に

じゅりれなよ永遠に

じゅりれな・坂道小説書いてます。

山崎天が自宅アパートのドアを開けると、

部屋の中に見慣れたシルエットがあった。

 

彼女の恋人、岩井俊司がソファに座り、

焦燥感に満ちた表情で彼女を見つめていた。

 

「俊司?どうしたの?」

 

天は驚きと心配が入り混じった声で尋ねた。

 

俊司は深いため息をつき、頭を抱えた。

 

「天、俺、やばいことになったんだ。」

 

天は俊司の隣に座り、彼の手を握った。

 

「何があったの?」

 

「闇バイトで宝石店を襲ったんだ。

でも、その一部をくすねてしまった。

それがばれて、俺にバイトを斡旋した組織

『クローバー7』に追われてる。」

 

天の心臓が一瞬止まったように感じた。

 

「なんでそんなことを…」

 

「金が欲しかったんだ。

でも、こんなことになるなんて思わなかった。」

 

俊司の声は震えていた。

 

天は深呼吸をし、冷静になろうと努めた。

 

「どうするつもりなの?」

 

「ここに隠れていれば、

しばらくは大丈夫だと思う。

でも、長くは持たない。

『クローバー7』は恐ろしい連中の集まりだ。

死に物狂いで俺を捜し当てるに間違いない。」

 

天は俊司の手を強く握りしめた。

 

「私たちで何とかしよう。

まずは安全な場所を見つけて、

それから対策を考えよう。」

 

俊司は天の目を見つめ、

少しだけ安心したように見えた。

 

「ありがとう、天。本当に助かる。」

 

天は微笑み、俊司の頬に軽くキスをした。

 

「一緒に乗り越えよう、俊司。」

 

天は俊司を部屋に匿うことにして、

心の中で理佐に助けを求める決意を固めた。