友梨奈がドアを閉める音が響き、
理佐は一人キッチンに残った。
彼女は友梨奈のために作った朝食が、
少しでも彼女の力になっていることを願いながら、
片付けを始めた。
理佐も普段は午前10時~15時まで
スーパーのレジ打ちで働いている
そのスーパーには山崎天 20歳の後輩がいる
休憩室で、
山崎天は一人でコーヒーを飲んでいた。
彼女の心は重く、最近の出来事が頭から離れない。
付き合っている男性が、
どうやら悪いことに手を染めようとしているらしい。
天はそのことを知ってから、ずっと悩んでいた。
その時、渡邉理佐が休憩室に入ってきた。
理佐は天の様子に気づき、
心配そうに声をかけた。
「天ちゃん、大丈夫?
なんだか元気がないみたいだけど。」
天は一瞬ためらったが、理佐の優しい目を見て、
思い切って話すことにした。
「理佐さん、実はね…
最近、付き合っている彼が
悪いことに手を染めそうで、
どうしたらいいか分からなくて。」
理佐は驚いた表情を見せたが、
すぐに真剣な顔つきになった。
「それは大変だね。
天ちゃん、そのことを彼に直接話してみた?」
「ううん、まだ話してないの。
彼を失いたくないけど、
彼が悪い道に進むのを
見過ごすこともできない。」
理佐は少し考え込んだ後、静かに言った。
「天ちゃん、彼を本当に大切に思っているなら、
正直に話すべきだと思うよ。
彼が間違った道に進むのを止められるのは、
天ちゃんしかいないよ。」
天は理佐の言葉に少し勇気をもらった。
彼女は深呼吸をして、決意を固めた。
「ありがとう、理佐さん。
そうだね、彼にちゃんと話してみるよ。」
理佐は微笑んで頷いた。
「天ちゃんならきっと大丈夫。
応援してるよ。」
天は理佐の言葉に感謝しながら、
心の中で彼との対話のシナリオを練り始めた。
彼女は彼を救うために、
そして自分自身のために勇気を出して
話すことを決意した