<松井玲奈side>
それから、3か月後
私は長年勤めたTBCテレビを退社して、
四国に行くことにした。
私は荷物を持って、東京駅にいた。
すると、改札前には友梨奈がいたのだ。
「見送りに来てくれたの??」
「はい!」
「友梨奈のおかげだよ。
だから、私は素直になれた。」
「本当に玲奈さんは世話が焼けるんですから、
向こうにいっても何かあったら
いつでも連絡して下さい。」
「うん、ありがとう。」
「玲奈さん・・・最後にお願いが・・・」
「なに?」
「抱きしめてもいいですか?」
「うん!」
私は手を広げた。
すると友梨奈は力一杯私を抱きしめた。
私も友梨奈を抱きしめる
まるでこの瞬間が永遠に続くかのような
情熱的で切ない抱擁であった。
<平手友梨奈side>
やがて、玲奈さんは改札口に入り
なんども手を振りながら
私の視界から消えていった。
その瞬間、私の目から大粒の涙が零れ落ちた。
まったく後悔がないと言ったら嘘になる・・・
今も心が張り裂けそうなくらいに哀しいよ。
でも、私が哀しい思いをすることによって
玲奈さんが幸せになるなら、
私は喜んで涙を流すよ。
私はあなたのこと愛せて幸せでした。
こんな私に好意を持ってくれてありがとう。
今、心から思えるよ
玲奈さん、あなたに会えてよかった・・・・
―FIN―