<平手友梨奈side>
「じゃあ、おやすみなさい!」
「本当に、ありがとう。友梨奈・・・」
私は玲奈さんの部屋を後にした。
あ~あ!
なんで、玲奈さんの背中を押してしまったんだろ・・・
なんで、
“私の方が佐藤さんより玲奈さんを愛しています”
って言えなかったんだろ。
でも、これだけは言える、
玲奈さんには幸せになって欲しい。
入社してずーと玲奈さんを見てきた。
彼女の佐藤さんに対する
想いは知っている。
思えばあの2年前、
本当だったら、あの時に
佐藤さんの申し出を受け入れできたはず
でも、奥さんや、三浦さん、
私に悪いと思い佐藤さんを振ったんだ。
玲奈さんは優しすぎるんだよ。
だから、今度は自分の気持ちに
正直になって欲しかったんだ。
悔しいけど、やっぱり私では
佐藤さんには勝てないや
悲しけど、玲奈さんの幸せを考えると
この結末が一番いいんだよ。
私は自分を納得させながら
マンションに到着するのであった。