Pure Love
夏の日差しは容赦なく地面を焼き、
蝉たちはその暑さを忘れさせてくれるように
一斉に鳴き始める。
その声は辺り一面に響き渡り、
子供たちが河原で遊んでいる様子を
想像させてくれる。
彼らは水しぶきをあげながら笑い声を上げ、
夏の日を満喫しているようだ
私、渡邉理佐は、そんな風景を眺めながら
日課の散歩を家の近くでしていた。
私は都内の大学に通う3回生でその日も、
いつものように散歩道を歩いていると、
遠くからランニングしてくる
3名の女性の姿が見えてきた。
彼女たちは
同じ大学に通うバスケットボール部の部員で、
その姿はいつも私を刺激してた。
いいなぁ・・・
あんな風に全力で走ることが私もできたらなぁ。
そんなことを思っていると
その中の一人の女性が元気な笑顔で一生懸命
走っている姿に目を奪われた。
この暑い中、
あんなに笑顔で元気に走れるものなのかと、
私は驚きながら彼女を見つめてしまった
そして、その女生徒とすれ違った時、
緩やかな夏風が私の長い髪を揺らしたのだ。
その瞬間、彼女は急に立ち止まりまったようだ。
しかし、私は何も気にせず、
そのまま歩いて行った。
「友梨奈~~どおしたの?」
立ち止まった女生徒に、
友人が心配そうに話しかけているのが耳に入った
あの元気な子は友梨奈って言うのか・・・
それが私と友梨奈の初めての出会いだった。
そして、この後
命をかけて私は彼女を愛することになる。
