(渡邉理佐SIDE)
別れる、別れない、別れる、別れない
私は頭の中で花占いをしている。
彼が奥さんと・・・・
別れる、別れない、別れない、別れられない!!!
だめだ、何度やっても明るい未来が見えないよ。
私は大学で助手の仕事をしている。
主に反町隆史准教授の担当である。
私はこの隆史さんと不倫の関係になって
この10月で約2年である。
一緒に仕事をするうちに
尊敬の念を抱くようになり
やがて、価値観が同じだとわかり
いつしか恋愛感情を持つようになった。
そして、行き着く先は不倫関係・・・
いけないことはわかっている・・・
でも、この気持ちはどうしょうもない。
そんな中、この10月から新たに入ってくる
ゼミ生の面接がはじまることに。
(平手友梨奈SIDE)
面接の日を迎えた。
面接官は反町准教授と助手の渡邉理佐さん。
「では、このゼミの志望動機を教えて下さい。」
発言したのは、助手の渡邉理佐さん。
綺麗だ・・・
地味に着飾っているが、
あの白い肌、大きな瞳、私のモロタイプだよ。
そんなことを思っているうちに
他の志望者が反町さんの
褒め称えるような理由で
みんな似たような志望動機を述べていた。
「では、次、平手友梨奈さんお願いします。」
やった!!
理佐さんに名前を呼んで貰ったぞ。
こんなに人に名前を呼んで貰って
嬉しい気持ちになったのは初めてだよ。
「平手さん??どうかしましたか?」
私が感動の余韻に浸って
言葉を発しなかったので
理佐さんが私に問いかけた。
あ!理佐さんと目が合ってるよ・・・
吸い込まれそうだよ・・・
「理佐さんって、本当綺麗だよ。」
しまった、心の声を口にしてしまった。
「え???」
他の学生も私を一斉に見た。
しまった・・・
なにを言っているんだ。
私は血の気が引くのがわかった・・・