ボディーガードとお姫様 20(終) | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

そして、4ヶ月の月日が流れた。

 

ここは東京のとある一流ホテル。

 

理佐は

控室に豪華な白のドレスで待機していた。

 

そう、今日は○○映画祭主演女優賞を獲得した

理佐への祝賀パーティーが開催されるのだ。

 

控室では理佐が森田と待機している

 

「ねえ・・・友梨奈は来てくれるのかな??」

 

理佐は鏡で髪形をチェックしながら

森田に尋ねた。

 

「招待状は送ったし、理佐のお祝い事に

 彼女が来ないわけないじゃないか。」

 

「早く、会いたいな友梨奈に…」

 

理佐は

友梨奈と久しぶりに会えると思うと

ワクワクして仕方がなかった。

 

その頃、

友梨奈はホテルのロビーに到着していた。

 

手には白薔薇の花束を持参していた。

 

(理佐さんと会うのは

一カ月ぶりだなあ

早く会いたいなあ・・・)

 

そう思いながら友梨奈はエレベーター前に

足を運んでいた。

 

そして、エレベーターには

沢山の人々が乗り込み

友梨奈は

パーティー会場がある最上階のボタンを押した。

 

やがて、レストランフロアーに到着すると

大勢の人間が降りだしエレベーター内は

友梨奈を含めて2人だけになった。

 

友梨奈はふと、そのもう一人に

視線を向けるとなんと、

理佐のメイク担当の長濱ねるが

いるではないか。

 

「あれ?“ねる”さん、

まだ会場に行ってなかったんだ。」

 

友梨奈が問いかけると

“ねる”はふりむき

なんと銃をもってるではないか!

 

「依頼人が自殺する前にお金をくれたから

 依頼を果たすわ。

 貴方も理佐も死んでもらうわ。」

 

柏木由紀は

理佐を亡き者にするために、

保険でもう一人あらかじめ雇っており

多田尚人が友梨奈の暗殺に失敗した場合に

“ねる”に理佐を殺すように依頼していたのだ

 

「君も殺し屋だったのか?」

 

その瞬間、“ねる”は友梨奈に向けて発砲した。

 

その銃弾は友梨奈の腹部に命中した。

 

しかし、友梨奈はものともせずに

“ねる”に飛びかかりもみ合いになった。

 

エレベーターが最上階に着くまでに

銃声が3発鳴り響いた。

 

エレベーターが最上階に着くと

ドアが開いた。

 

すると、体から血をながした友梨奈が

花束を抱えながらよろよろ歩きだした。

 

エレベーターの奥には“ねる”が銃弾を浴びて

絶命していた。

 

そう、友梨奈ともみ合い

2発は友梨奈に

1発は“ねる”の首に命中したのだ。

 

友梨奈の抱えた白い薔薇は

血で赤く染まっていた。

 

まわりの客が騒ぎだした。

 

「人がエレべーターで死んでる・・」

 

「だれか!警察を!」

 

友梨奈はもう消えそうな命のエネルギーを

必死に絞り出し理佐の元に歩んでいた。

 

「理佐さん・・・今行くからね・・」

 

そう言って、友梨奈は右斜めから前方に

倒れこんでしまった。

 

そして、顔をおこし、

ほふく前進のような感じでまた

前に進みだしたのだ。

 

理佐に会いたい気持ちが

友梨奈に力をあたえていた。

 

「理佐さん・・・」

 

そう言って、右手を伸ばし

なにかを掴もうとした体制で

友梨奈の意識は薄れていった・・

 

その頃理佐はこの騒ぎに気づくことなく

控室で森田と話していた。

 

「友梨奈はどんな服装でくるかな?

 やっぱり、デニムにラフなシャツだろうね。」

 

理佐は笑った。

 

もうすぐ、友梨奈と会える・・

 

理佐は友梨奈の笑顔を思い出しながら

 

その時をいつまでも待ち続けていた・・・

 

  FIN