それから、1週間後、
玲奈の会社での出来事だった。
玲奈が父親で社長の健一に
社長室に呼び出されていた。
「なんですか?社長!」
「まあ、かけてくれ!」
健一はイスから立ち上がり
ソファーのある場所まで移動しながら
玲奈に育てソファー座るように促した。
「正式に見合いの日がきまったよ。
今週末の土曜日の夜18時だ。
開けといてくれよ。」
「わかりました。話はそれだけですか?」
「おまえは物わかりが良くて助かるよ。
この見合いは、うちと岡本工業との
業務提携がかかっている。
よろしく頼むぞ!!」
健一はソファーにもたれて言い放った。
「はい、心得ています。では。」
玲奈は立ち上がり一礼して部屋を出ていった。
そう、玲奈は
政略結婚をさせられようとしていた。
だが、玲奈はそれに背くつもりはない。
玲奈の目的は、
このM-LINEの社長になることなのだ。
健一の愛人だった母親が
健一の家族達に
虐げられるのを目にしていた玲奈は
自分が健一の後に収まり、
彼の家族を見返してやりたいと思っているのだ。
そう、これは一種の復讐でもあるのだ。