その日の帰り、
後輩の山崎天が声をかけてくる。
「理佐さん~~今日、飲みに行きません?」
「ごめん、行きたいんだけど、
知人のお通夜なの。」
「え??この間、
お葬式に行ったばかりじゃないですか?」
天は少し驚いた表情をした。
「うん、続くんだよね、
また行こうね。ごめんね。天ちゃん」
理佐は妹のように可愛がっている
天の誘いを後ろ髪を引かれる思いで断った。
会社の外に出ると理佐は
直ぐに後を付けられていることに気づく。
(まさか、ストーカー?)
理佐は恐る恐る、速足になる。
そして、慣れた土地感を活かして
細い路地に逃げ込み身を隠す。
すると一人の男があたりを
キョロキョロ見渡していた。
(あの男が珠理奈達を殺した犯人??)
理佐は様子を伺っていた。