な・・・何を言ったらいいのだろう
言葉がでてこないよ。
早くお礼をいわなきゃ・・・
「あ!!毎朝、駅前で
すれ違うお姉さんじゃないですか!」
「え??私のこと知っててくれたんだ。」
「当たり前じゃないですか?
毎日、すれ違っているんだから
知っていますよ。」
なんだろう…
認識されていたことが分かっただけで
私の気持ちは晴れやかになり
1000年の恋が実ったような感覚に陥った。
「それより、足だいじょうぶですか?」
「大丈夫よ。
ちょっと、ふくらはぎが張っただけだから。」
すると、この女の子が
私のふくらはぎを軽くマッサージしてくれるではないか。
私は嬉しさと照れくささで顔が真っ赤になってしまう。
「あ…りがとう。もう大丈夫だから・・・
ところで、貴方の名前は??」
「私ですか?私は平手友梨奈といいます。
お姉さんは??」
「私は松井玲奈です。」
「素敵な名前ですね。
よろしく。玲奈さん。」
「ありがとう。よろしくね。」
友梨奈って云うのか・・・
彼女を知ってから1年で
ようやく名前が知ることができた
しかも、話すことができた。
もっと、色々友梨奈のことが知りたいよ。
だが、そんな私の願いとは裏腹に…
「じゃあ、私はこれで。」
友梨奈は再び走り去っていった。
もっと、話しをすればよかったなぁ・・・
私は本当に意気地なしだ。
でも、これで
朝すれ違う時挨拶しやすくなったよ。