風に吹かれても ―罪と罰―8 | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

時間は刻々と過ぎていき

 

私と“ねる”は部屋で音楽を聞きながら

本を読んでいた。

 

もう待ち合わせまで1時間を切ったよ・・・

 

行かないのなら連絡を入れなきゃ。

 

私は腹を括った。

 

やっぱり友梨奈が好きだ。

 

友梨奈も

麻衣さんと別れてくれたに違いない

 

だったら、私もきちんとしないと・・・

 

「ねえ、“ねる”訊いて…」

 

私の言葉に“ねる”は真顔になる。

 

「今日ね・・・私は友梨奈と

約束しているの。

もう、あと30分もしたら

いかないといけないの。」

 

「やだよ・・・やだ・・・お願い

私を一人にしないで。なんでもしますから

だからお願い。私を見はなさないで・・・」

 

“ねる”はこの世の終わりなのかと

思うほど泣き出した。

 

だめだ…

やっぱり、私はこの子を

見放すことはできないよ。

 

友梨奈、ごめん。

 

私は“ねる”を抱きしめて頭を撫でていた。

 

「ごめんね、意地悪なこと言って。

もう、どこにも行かないから・・・」

 

その言葉に“ねる”が

力強く私にしがみ付いた。

 

やがて、待ち合わせ時間が

過ぎているのに気付いた

 

私は友梨奈にラインを送った・・・

 

ごめんね、友梨奈・・・

 

ごめんね、また貴方に悲しい想いをさせて

 

どうしても私は“ねる”を

見捨てることができないの・・・