私が途方に暮れて路地裏で座りこんでいたら
ある女性が話しかけてきた
「なぜ君がここにいるの?」
「なぜって・・・色々あって疲れたの。」
「君、名前は?私は平手友梨奈。」
「遠藤さくら。」
「さくらって、呼ばしてもらうね。
私のことも友梨奈って呼んでよ。
さあ、こんなところに座ってないで
立ちなよ。」
「うん・・・」
「いいところに連れていって上げるよ。
ついてきて。」
「え?・・・うん。」
なに?このお節介な人は・・・
でも今は一人でいたくない。
「さくらは何をしていた人なの?」
友梨奈さんは前を見ながら
後ろを歩く私に質問してきた。
私ってやっぱり無職に見えるのかな・・・
「昔は飲食店で働いていたけど、
交通事故に遭って
しばらく入院していたから今は無職なの。」
「そっか・・・交通事故か大変だったね。」
「もう、今は元気になったから
平気よ。それより・・・」
「なにか大きな悩みがありそうだね。
話はこの上で聞くよ。」
友梨奈さんはそう言って、
あるマンションに入っていった。