朝の6時私は小鳥のさえずりで目が覚める。
友梨奈はベッドに
覆いかぶさるように眠っていた。
私が大好きだったあの頃の友梨奈と
全然かわらないよ。
私と友梨奈がおかしくなった時
どうして、私は友梨奈の立場になって
物事を考えられなかったんだろう
そうすれば私達は上手くいったのだ。
友梨奈の寝顔を見ていると
愛おしさがこみ上げてくるよ
私は自然と友梨奈の頭を撫でていたのだ。
やがて、友梨奈が目を醒ます。
「あ・・・いつの間にか眠ってしまったね。」
「おはよう。友梨奈、昨日はありがとう。」
「なんにも役に立ててないけど。」
「そんなことないよ、
友梨奈がいてくれて心強かったよ。」
「そう言ってもらえるとなによりだよ。
じゃあ、私帰るね。」
「え??朝ご飯食べていってよ。」
「実家にかえらないと
親がうるさいから。ごめんね。」
友梨奈は玄関を出て靴を履いた。
私は外まで彼女を見送った。
「友梨奈・・・本当にありがとう。」
「うん、じゃあ、またね。」
友梨奈は駅に向って歩いて行った。
私はその後ろ姿を愛しげに眺めていた。
友梨奈が振りかえって
手を振ってくれることを期待したが
友梨奈は振り向くこともなく、
私の視界から消えていったのだ。