海辺に着くと、玲奈ちゃんは直ぐに
風間さんを探してその出店に近づいた
「お、来たな
玲奈は久しぶりだな。いつ以来だ。」
風間さんはみたらし団子に
タレをつけながら言った。
「私が高校2年以来だから
5年ぶりですね。」
「もう、そんなになるのか…
でも、お世辞抜きで玲奈は綺麗になったよ。」
「そんなことないですよ。」
玲奈ちゃんは下を向いて照れた。
「ちょっと、私はどうなの。私は!」
「友梨奈も綺麗だよ。」
「もう、私はついでか!」
風間さんも玲奈ちゃんも笑った。
やがて、花火が始まった。
風間さんは出店をお父さんまかせて、
私達と3人で花火を見たんだ。
風間さんは花火が撃ちあがるたびに
歓声あげている。
玲奈ちゃんは時より
風間さんの顔をチラチラ見て
幸せそうな顔をしている。
そんな玲奈ちゃんを私は愛おしく思う。
でも、こんなに近くにいるのに
気持ちは私に向いていないことを
目の当たりにして
少し切ない気持ちになってしまう。