翌日、私はひさしぶりに
友梨奈と登校することに
菊池君にはラインを送って
しばらく登下校は友梨奈とすることを
伝えていた。
だが、高校の最寄りの駅を出ると
菊池君が待っていたのだ。
「理佐、すまん!この通りだ。
おれが悪かったよ。許してくれ。」
菊池君は頭を深々と下げていた。
「そんな見せかけの謝罪で
許されると思ってるの。」
友梨奈が彼の前に立ちはだかった。
「本当に反省しているよ。」
「いいや、あんたはまた、
同じことやるよ!
私にはわかるのよ。」
友梨奈は憤慨していた。
「さっきから黙って聞いてりゃ、
好き勝手ぬかしやがって。
お前には関係ないだろ。
これは俺と理佐の問題だ!」
菊池君は怒りだした。
その表情があの時と同じで私は怖くなり
友梨奈のうでにしがみついた。
「これで、分からない?
理佐は貴方のこと怖がってるの!
少しでも悪いって持っているなら
一人で学校に行って。」
友梨奈の言葉に菊池君は返す言葉がなく
一人で学校へ歩いて行った。
ただその後ろ姿があまりにも寂しそうで
私は少し可哀そうだと思ってしまった。
「駄目だよ。同情したら。」
「え?・・・あ・・・うん。」
友梨奈は人の顔色を
読み取るのが非常に優れている。
だから、菊池君の表情から
彼の本性を見抜いていたのだろうか?
この日から私達はまた
一緒に登下校することになった。