菊池君の家を飛び出した私は
涙が止まらなかった…
優しい人だと思っていたのに。
私がお願いしても
欲望のまま私を求めてきた。
駅の近くで息を整えた私は
友梨奈に電話していた。
「もしもし、理佐?どうした?」
「友梨奈・・・」
後は涙で声にならなかった。
「もしもし、理佐!どうしたの?
今どこなの!教えて!理佐!」
「大手町の駅前だよ。」
「そこに行くから、待ててね!」
電話がきれた。
待つこと30分、
友梨奈が改札口からでてきた。
私は友梨奈の顔を見るなり
彼女に抱きついた。
「理佐・・・」
「ごめんね、友梨奈が正しかったよ。」
私は今日の出来事を友梨奈に話した。
「そっか、そんなことが…
でも無事でよかった。」
「私が彼を信用しすぎたの、
もっと慎重に行動すべきだったわ。」
「とりあえず、どこか店でも入ろう。」
「あ・・・うん。」
私と友梨奈は喫茶店に移動した。
こうして、二人で話すのは久しぶりだよ。
友梨奈は沈んだ私を励ますために
精一杯盛り上げてくれた。
楽しい・・・
友梨奈といるとこんなに楽しいなんて
私はなんでもっと早く
気付かなかったんだろう。
こうして、私は
友梨奈に慰めてもらい元気を取り戻した。