ラストキッスで決めさせて 8 | じゅりれなよ永遠に

じゅりれなよ永遠に

じゅりれな・坂道小説書いてます。

翌日、私たちは

ホテルのフランス料理店に来ている。

 

「ここの、白身魚美味しいでしょう?」

 

「そうですね」

 

斗真さんは立ち振る舞いがスマートで

明るくて話しやすい。

 

普通なら好意をもたれたら

うれしいはず。

 

でも、彼といると

この病気のことを忘れることができない。

 

私は病気に一生縛られている気がして

 

彼に兄のような感情しか持つことができなかった。

 

そして、私には友梨奈という恋人ができた

 

今日、彼に告げるつもりで来たのだ。

 

食事が進み、デザートが運ばれて来たときに

私は切り出した。

 

「斗真さん…話しておきたいことがあるんです。」

 

「なんだい」

 

斗真さんは一口サイズのケーキをたいらげた。

 

「私、恋人ができたんです」

 

「え??・・・・」

 

「ごめんなさい…

だから、こうして二人で食事するのも

もう、今日で終わりにしたいんです。」

 

暫く沈黙が続き、

斗真さんはすぐに笑顔で返してきた。

 

「相手はどんな人なんだい?」

 

「プロのダンサーを目指してる女性です。」

 

「ダンサーを目指す?女性??」

 

斗真さんは一瞬驚いた顔になったが

すぐに冷静な表情になった。

 

「わかった…色々気を使わせてしまったね。

でも、恋人のことと病気のことは無関係だ

なにか調子がおかしかったらすぐに

僕に連絡してくれよ。」

 

斗真さんは笑みを浮かべた。

 

「はい、ありがとうごいます。」

 

私は軽く頭を下げた。

 

こうして、私は斗真さんに全てをつげて

 

理解してもらったのだ。