友梨奈の言葉を受け葵は
涙を堪えながら言葉をくちにする。
「非道いよ。今日を楽しみにしていたのに。」
「あのぉ…私なら一人で帰れるから・・・」
理佐はなんだか罪悪感が芽生えてきた。
「私が理佐を送りたいの」
友梨奈の言葉に理佐は黙ってしまった。
「だから、葵は帰ってくれないか」
「・・・・・」
葵は沈黙したままその場を動こうとはしなかった
「私達つき合っているわけじゃないんだから、
そんなにしつこくしないでよ」
「わかった…大人しく帰るから
怒らないで…また連絡頂戴ね」
嫌われたくない葵は
反抗することなく友梨奈の言葉を受け入れた
葵は帰って行った
「いいの??」
理佐は申し訳なさそうにする。
「いいよ。私は個人の物じゃないんだから
さあ、行こう」
「うん・・・」
理佐は友梨奈の冷酷なところを見てしまい
少し怖くなっていたのだ。
さっきまでの友梨奈の面影がなく
まるで独裁者のように思えたのだ
自分たちは友梨奈には逆らえない一般市民
そう考えると
理佐は友梨奈の半歩後ろを歩いていた