呼び出された珠理奈は
久しぶりに玲奈と話せるので
不安よりも嬉しさが大きかったのだ。
「玲奈ちゃん、おまたせ」
先に来ていた玲奈に声をかけた。
玲奈は金網をつかみ下の風景を
眺めていたが声をかけられ振り向いた。
「珠理奈、なんか久しぶりに
二人で話すから照れるね。」
「そうだね・・・」
「珠理奈、私・・いい子ぶってたよ
なにがあってもあなたのことを
嫌いになりたくないと思ってたの
でも正直に言うね。」
珠理奈は頷いた。
「許せなかったの・・
珠理奈が平手さんにキスされた時に
彼女を抱きしめて受け入れたことに。
そう・・珠理奈なんか大嫌いよ!
私を裏切ったんだから、
私が社会人になったら
二人で一緒に住もうと言ってくれたこと
凄くうれしかったんだよ!
なのに・・・他の子とキスするなんて
許せないよ!」
玲奈は涙で顔がグシャグシャだった
珠理奈は責められていたが、
気持が楽になっていたのだ。
そう珠理奈は玲奈に
非難されたかったのだ。
自分の罪を非難してもらい
どれだけ玲奈を苦しめたか
言葉でぶつけて欲しかったのだ。
それが分ることで
自分の犯した罪を本当に
認識できるのであった。