二人セゾン―Winter— 6 | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

「お久しぶりです。菅井さん。」

 

「あ・・・玲奈さん、

入院したって聞きましたけど

大丈夫なんですか?」

 

菅井さんは事務手続きのため

大学に来ていたようだ。

 

「退院できたけど、体調が優れないんで

 退職することにしたの。」

 

「え??そうなんですか・・・」

 

「ところで、友梨奈は元気でやってる?」

 

「え??玲奈さん知らないんですか?」

 

菅井さんは不思議そうな顔をした。

 

「え??なにを??」

 

「友梨奈は12月一杯で、

 大学を辞めましたよ。

 で、私にも何の連絡もなく

 どこかへ行っちゃいました。」

 

「・・・・・・」

 

きっと、大学にいると

私と顔を合わせる可能性があるからだ。

 

私は友梨奈を

本当に追い込んでいたんだな・・・

 

なんて彼女に謝ったらいいのだろう。

 

いや、早く忘れなければならない。

 

そうする事で

友梨奈を本当に自由にさせてあげられる。

 

「ごめん、私が友梨奈に

精神的負担をかけたせいだわ。

きっと、名古屋の実家に帰ったのね。」

 

「え??実家??」

 

菅井さんは不思議そうな顔をした。

 

「私、何か変な事言った??」

 

菅井さんが妙な表情をしたので

尋ねてみた。

 

「いえ…友梨奈の両親は

 彼女が小さいころ

 事故で亡くなってるんで

 帰る実家はないので。」

 

「え・・・?」

 

たしか夏にお母さんが

ギックリ腰だと言って

1週間ほど実家に帰ったはず。

 

なぜそんな嘘を・・・

 

天涯孤独なことを

私に知られたくなかったのか?

 

それとも

夏頃から私のことが負担だったのか?

 

いや、もう考えるのはよそう。

 

私が友梨奈のことを忘れてあげることが

彼女の幸せになるのだから。