気づいたら片想い ―失踪彼女―20 | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

早歩きで前を行く珠理奈さんに

私は走って追いつき話しかける

 

「本当に帰るんですか?」

 

私が話しかけると珠理奈さんは

立ち止った。

 

「これ以上無理に説得しても逆効果だよ。

 玲奈ちゃんの心の傷の元を絶たないと」

 

「え??じゃあ、

説得に諦めたんじゃないんですね。」

 

「当たり前でしょ!

とにかく未央ちゃんの部屋に行こう。」

 

こうして、私と珠理奈さんは

未央奈さんの部屋に戻って

対策を練ることになった。

 

未央奈さんの部屋には

18時を回った頃に到着した。

 

私たちはコンビニ弁当を食べながら

玲奈さんの様子を未央奈さんに報告した。

 

「でも、見つかってよかったわ。

 とりあえず一安心ね。」

 

未央奈さんは安堵の表情を浮かべた。

 

「でも、うかうかしてられないよ。

 玲奈ちゃんはまたどこかに

引っ越す可能性もあるからね。」

 

珠理奈さんが発言し、

すぐに私が質問する

 

「帰り際に、

玲奈さんの心の傷の元を絶たないとって

言っていましたけど、

それはなんなんですか?」

 

「環奈さんだよ。

 環奈さんに許してもらえれば

 玲奈ちゃんは帰ってくるよ。

 亡くなった浩二さんの妻である

 まなみさんは

 玲奈ちゃんのことは恨んでいないし

 自分を守ってくれたんだから

 むしろ感謝しているよ。

 だから、環奈さんが許してくれたら

 全て丸く収まるんだけど・・・」

 

珠理奈さんは発言すると

難しそうな顔をした。

 

「じゃあ、早く環奈さんに

頼みに行きましょうよ。」

 

私の横に座る未央奈さんが

今にも訪ねようかの勢いで発言した。

 

「この間環奈さんに会ったけど

かなり怒っていました。

下手に説得して逆に怒らせたら

もう、二度と玲奈さんを

許しけてくれないような気がします

だから、慎重に事をはこばないと。」

 

私は未央奈さんを制止した。

 

「じゃあ、どうしたらいいの?」

 

「それは私にもわかりません。」

 

未央奈さんの質問に私は返した。

 

「ぐずぐずしていたら玲奈さんが

別の場所に引っ越すかもしれないんでしょ?

だったら、もう素直に頼むしかないよ。」

 

未央奈さんは力説した。

 

「そうだね、一筋縄ではいかないけど

 もうそれしかないよね。

明日みんなで環奈さんの所へ行こう。」

 

珠理奈さんが提案してきたので

私もそれに同意した。

 

こうして、私達は

環奈さんの所へ出向くことにした。