そして、その日の夜、夕食をすませ
私の両親が帰宅し、
玲奈ちゃんと二人きり になったときだった、
病室に木村社長が
お見舞いに来てくれた。
「すまん・・・遅くなって・・」
木村社長は私を見るなり
頭を下げた。
「いいえ、社長もお忙しいんですから
私の為にお見舞いなんていいですよ!」
私はにこやかに話した。
「俺がもう少し、白石さんところで
きちんと話をつけていれば
こんなことにはならなかったはずだ。
本当に申し訳ない」
木村社長は深々と頭を下げた。
「や・・やめてくださいよ。
もとはと言えば私が社長に
お願いしたんですから、
私の自業自得ですよ!」
そう、麻衣の木村社長と結婚したい
と云う夢を壊したのは私なんだ・・・・
だから、だれも反省する必要はない。
悪いのは全部私なんだ。
「それより、私はもう大丈夫ですから
玲奈ちゃんを連れて帰って下さい。」
私は玲奈ちゃんの方を向いて言った。
木村社長は補助椅子に腰かけながら
「いや・・・玲奈も
珠理奈の傍にいたいはずだし
もう少し玲奈の我儘を
聞いてやってくれないか。」
「でも・・・今は二人が一緒にいなきゃあ、
駄目ですよ」
折角よりを戻したんだから、
ここで離れるとまた、別れてしまうんじゃ
ないかと私は心配で仕方なかったんだ。
「大丈夫だよ。
心配してくれてありがとう!
私も友哉さんも強い絆で
結ばれているから・・・・」
玲奈ちゃんは穏やかな表情で言った。
10分ほど話した後に
木村社長は立ち上がった
「じゃあ、俺まだ仕事があるから、行くわ!」
「ありがとうございました。
玲奈ちゃん・・
お見送りしてあげてね!」
玲奈ちゃんは私に促され、
木村社長を病院外まで送って行った。
やっぱり、お似合いだよ二人は
私の為に二人の時間を邪魔させたら
駄目だと思える夜だっだ。