前橋市が姿を変えようとしている。前回は赤城山の変化をお伝えしました。今度は市街地。

 

それは、市役所のちからではなく、市民や法人の力によって。簡単な表現をすれば、「税金を使わずに、市民の資金と知恵と人材によって」という意味です。

 

そしてその思いの根底にある私の政治思想は官民共創です。

どんどんこの民間活力によるまちづくりを進めている。

まちづくりのデザインを市民と描くのです。私のふるさと前橋市への責任は市民がこの街に関わる最初の一歩を後押しをする事だと決めている。

 

この前橋を愛する人達こそ主役だから。

市民が主役・市役所は舞台を作る。

それが官民共創の前橋再生の思想です。

 

新清掃工場・新設か延命化か悩みました。ゴミが増えれば延命した焼却量ではたりません。ところが現実にこの5年間でゴミは減りました。清掃工場の延命も市民力でできたのです

 

最終処分場を公募しました。芳賀自治会から立地場所の提案がありました。反対の運動が起こって何年もかかる筈の焼却灰の埋め立て場所が、地域から立地要請を頂けたのです。

 

前橋市は長い間、空き家と商店街のシャッター通りで悩んでいました。ところが空き家対策の担当であった建設住宅課の空き家の実態調査と建築基準法の緩和と空き家利用の助成制度でまちが変わってきました。前橋市空き家対策協議会や建設部、都市計画部の青年職員が様々な空き家の利活用や空き家にさせない登記の促進など全国でも先進的な取り組みを行うまでになりました。最初の一歩は市役所の取り組みですが、今は民間の皆さんと一緒に加速しています。空き家をリノベーションして、金融機関と大家さんと起業する人とみんなで進んでいます。以下はたくさんお大家さんと何か始めたい若者をしののめ信用金庫さんと市役所が結びあうプランです。

 

 

前橋で予想出来ないことが起きています。

市民を信じて連携する事は正しかった。

 

まだまだたくさんのアイデアが市民や職員から届き芽吹こうとしています。“前橋は面白い事している!”この柔軟で寛容な前橋のイメージが全国から未来型政策へのアイデアを呼び込んでいると実感します。今までの役所が目もくれなかった市民のアイデアを行政と補完しあえるというイメージとまちの将来に向けて地域で共有していくビジョン「めぶく」を発表したことも合わさり、

 

前橋でチャレンジしてみようというメッセージが広く発信されたのです。

 

 

今起きている事を知れば、日本中が驚くでしょう。

市民団体が自らの資金と知恵と汗で通りの再整備を進めているのです。前橋市の建設部が行っているのではないのです。

 

信じられないでょう。

 

前橋市で策定したアーバンデザイン

前橋市商工会議所が提唱する 前橋グリーン&リラックス

の二つのデザインコードに基づいて前橋市の街中をデザインシティに転換しようと民間法人が立ち上がりました。

それがMDC 前橋デザインコミッションです。

 

民間の法人が ’We build Design city.’ 「市民がデザインの街を築きます」って言いきってしまう凄さ。

 

MDCのミッションは以下です

  1. デザイン都市まえばしを実現するためのグリーン&リラックス構想並びに前橋市アーバンデザインの推進に関する事業

  2. まちづくりの戦略の策定、実行に関する事業

  3. 中心市街地が活性化するために必要な事業

  4. 不動産賃貸業

  5. まちづくりに係る人材育成に関する事業

そしてMDCはこうに宣言しています。

前橋はもっとおもしろいまちになる。

前橋ビジョン「めぶく。」の旗のもと、まちなかからまちづくりを進める機運が盛り上がり、新しい価値が生まれ続ける都市「Green & Relax 構想」と官民連携のまちづくり指針「前橋市アーバンデザイン」が描かれました。これらに基づく様々な取り組みを見渡し、背中を押していく。まちづくりのエンジンとして立ち上がった組織が、MDC(前橋デザインコミッション)です。

 

そしてMDCはなんと、本来なら公共が管理する馬場川とその歩道を再整備すると発表しました。つまり土木工事をするのです。
 

 MDC News  2021.4.14【参加者募集】
馬場川プロジェクトが本格化し三陽技術コンサルタンツ㈱による測量が開始しております。
第1回勉強会として、4月22日(木)13:00~14:30 実地3Dスキャニング見学とスキャナーメーカー「トプコン」からの技術レクチャーを開催いたします。好評のため現地での参加は定員となっており、zoomでの座学のご参加のみお申込み受付をしております。ぜひご参加ください。
お申し込みはこちら
詳細はこちらをご覧ください

街づくりの勉強を市民と協働して進めるMDCの取り組みは市役所以上に市民に優しい

 

 

 

私は思います。市長はスーパーマンじゃない。だから「官民共創」という考えが必要です。

 

この私のこの思いの向こうにある考えは

“あなたの力で社会課題を解決しませんか?”

との呼びかけです。

 

その具体的な指針として「民間共創」という言葉を私は市長になってからヅーーっと議会や団体の挨拶で話しています。つまり皆さんの力を貸してくださいという事です。社会課題の解決の為に市長職を担っている私が「私には能力がない。」ということと同じ意味の言葉を市民にむかって話すのですから最初は自分の弱気に戸惑いました。「俺に任せなさい。皆さんは見物していてください。」と言えば頼もしいリーダーに映る筈です。しかしそれは間違ったメッセージだと気付いたのです。そこで私は次のような挨拶を述べる事になります。

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ご参会の皆さん。前橋市市政に様々な不満をお感じなっている筈です。正直に申し上げれば市長が何でも解決できるとは間違いです。これまで市役所が社会や地域の課題を行政本位で解決してきましたが、地域課題の解決を行政だけで行うことは困難です。市民、企業・団体、行政それぞれが、「他人ごと」ではなく「自分ごと」として地域の課題を捉え、自主的・自律的に、連携しあって課題解決に取り組むこと、いわば市役所経営から地域経営へ大胆に変革して、本市の新しい価値の創造を創ることが重要だと考えています。皆さんの力を貸してください。

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そして

民間共創事業がどんどん芽吹いてきました。

企業・団体の社会貢献活動(CSR)や共通価値の創造(CSV)により、税金だけでなく民間と一緒に社会課題の解決やシティープロモーションを実施してきました。

 

・セキスイハイムさんが再生可能エネルギー導入と子育て支援を目的に市内保育所の屋根に企業負担で太陽光発電を設置して売電収益を市に寄付していただき保育所の遊具の購入

 

・サンヨー食品さんと市内の有志のまちおこし団体が民間同士で連携して前橋版オリジナルカップラーメンとして「サッポロ一番前橋二番」を作って好評のうちに一万個を販売出来ました。

 

・民間有志によるまちづくり団体「太陽の会」の発足につながった「前橋ビジョン“めぶく”」の策定もこの事業です。JINSの田中仁財団の申し出により、グーンドーム前橋で4000人の市民に向けて発表しました。

 

・「太陽の会」は岡本太郎作の「太陽の鐘」が日本通運から寄付された際も前橋市と日本通運さんと岡本太郎記念館の調整役を果たし、作品「太陽の鐘」の修復費も負担

 

・サッポロビールさん、西武ライオンズさんと連携した児童福祉施設等に通う子どもたちとその家族の皆さんを野球観戦に招待し、通常は「サッポロビール」と広告する球場フェンスに子どもたちの絵を飾り「個々が光り輝くまちづくり」の実現を目指しました。

 

そうした市民、民間団体、企業と市役所の連携の取り組みは、数字以上に、新しいことに取り組みたい民間企業や団体に対して、「新しい価値を求めて連携することができる街、前橋」のアピールになったはずです。またこれらは市役所が単独では行うことはなかった事業でしょう。官民との連携があってからこそ実現したのです。

 

 

連帯という力。誰かと一緒に進むことの愉快さ。

連携することで前橋いう行政組織では出来ないことが出来るという自信は大きなものです

 

みんなで荷物を持ってくださいませんか?

 

市役所が責任を持つべき業務は何か?と私は何時も自分に問います。私たちの社会課題は野放図に拡大してしまっています。そのすべてが市役所のしごとなのでしょうか?私たちは市役所の仕事、市民が自ら解決するべき仕事を選択する時代にあるのではないでしょうか?

 

豚熱、コロナワクチン、生活保護世帯の支援、障害者にお暮し易さ・・・これらは市役所の仕事です。社会保障や公教育など私たちの責任によってなすべき仕事です。しかし職員数は削減の連続です。一人当たりの仕事量はもはや限界であり、その結果、業務がルーティン化していくのです。市民への対応もトゲトゲしくなってしまいます。私たちにはどの業務を優先させるかの裁量権がないのです。新しい考えやデザインを構築する余裕すらありません。職員はばたばたと病休や退職していきます。何よりも業務を増やしたくない気持ちになって新しい事へのチャレンジもできません。その理由は担い手が不足しているのです。今、私たち地方政治に必要なのは職員が両手に持って運んでいる荷物を持ってくれる仕組みです。市民を或は社会課題の解決を業とするビジネスを頼りにすることは怠慢なのでしょうか?官民協働はその思いの延長にあります。

 

 

そして今、前橋市はスーパーシティ国家戦力特区へ160の連携事業者と協働で進んでいます。34万人市民を支える社会をここ前橋に生み出します

 

そしてこの街を もう一度

希望のまちへ変えるのです。

 

なぜ、あなたはそのまちに住むのか?

不思議なめぐり合わせや偶然から人は旅をするように移り住んでいきます、私も同じです。群馬県の北、新潟県や長野県の県境にある草津温泉に生まれた私が、なぜ今、前橋市に暮らしているのか?山の医院の後継者として育った私は教育を求めて草津小学校の恩師の勧めで前橋の中学校に入学しました。恩師の大きな農家に下宿させていただきながらこのまちで中学校と高校時代を過ごしました。いわば私にとって

 

前橋は学びという希望の地だったのです

 

前橋市出身の小学校の恩師が前橋市出身であったことの偶然からの出発です。「ここで学び、田舎で医者になる。」との希望をもった前橋での学びがスタートしました。山奥の温泉場の子どもにはこのまちは驚くような大都市でした。段々畑しか見たことになかった私には四角い田んぼが見渡すように大きく、工場団地、鉄道やバス、ビル、デパート、商店アーケード・・・・一番の驚きはクラスメートです。クラスメートは皆カッコよくて頭が良く見えました。私にとって、この前橋には希望があふれていました。「ここで頑張れば成長できる。」との確信がありました。私の中学校1年生の写真を見ると何故か野球部でもないのに坊主頭です。私のやる気の表れです。そして前橋が私を育ててくれました。挫折もあります。医学部受験に失敗して早稲田に、でもそこで小渕恵三元首相の元で政治という新たな希望を見つけました。草津町がある選挙区での県議会議員として3期11年を過ごし、そして知事選に挑むも破れました。前橋市での県議選候補にと声をかけていただき前橋市地区から県議会へ復帰、そして私にとっての学びの故郷である前橋で市長との役割を担う事になりました。

 

なぜ、あなたはそのまちに住むのか?と問われれば「私のいる場所があるからだ。」と答えます。居場所とは役割です。当事者としてかかわる役割があるからです。このまちの希望を取り戻すという役割が私にはあるのです。今、前橋人はこのまちへの希望を失いかけています。しかし私の目に映る前橋はいまだに輝いています。医療の輝き、教育の輝き、産業の輝き、ここに暮らす市民の理性、落ち着きと歴史の深みがある街並、・・・そして広瀬川。このまちは今でも、県都の輝きを持っている。このまちが希望の街だと皆さんに思い出してもらいたい。誇りを取り戻してもらいたい。時間はかかります。本当に時間がかかります。

 

そしてこの街を もう一度

市民の力と善意を信じて

希望のまちへ変えるのです。

 

でも今、立ち上げる市民の力が街をうご増していこうとしています。みんなの・・・民間の・・・アイデアをください。そのアイデアの言い出しっぺが、汗をかいて実現してください。私は応援します。

・市の土地(空いた公園や校舎、施設)を借りて活用したい?

・規制でうまく行かない。市はこの規制を変えられないか?

・動き出す最初の3年だけ制度支援してほしい?

・私達の善意で、市民サービスが良くしていきたい?

・・・

小さなことを積み上げて街は変わります。

市民がコピー用紙毎日2枚分のゴミを減らしたおかげで、

清掃工場の新設をしないですんだのですから。

 

いま

そこで駅前が民間の再開発などで変わりました。

 

そのアクエルの中に高校生の勉強スペースが完成です

 

 

そしてアクエルの東には、新しいマンションが建設中です。

 

 

 

前橋市と前橋の歴史を大切にして下さって有り難う。

 

この事業者である東京建物、ファーストコンタクトさんは単なるビジネスだけではなく、前橋市を愛してくださっていると私は信じています。

 

 

たくさんの市民がここに移り住んで下さり、前橋市をふるさとにして下さる日を待っています。

JR前橋駅は見送る駅から、人を迎え入れる駅に変わります。

 

 

コグベも使ってください (*^_^*)(*^_^*)

いろんな前橋を発見してください。

BrilliaTower ブリリアタワーの記者発表資料から