トーシャ・シルバー著
「私を変えてください」より
脱獄
トーシャは幼なじみのジョンと
スーパーでひょっこり合った。
ジョン:「トーシャ、最近自己啓発の本を書いてるって?」
トーシャ:「そうねぇ 自己啓発っていうのはちょっと違うわ。私に言わせたら、それって監獄の独房で模様替えするようなものだから。ほら、そのみっともないソファを変えて、新しいカーテンにして、あと、感じのいいラグマットも入れようか、てね。
おまけに、一緒に服役するのにぴったりの相手を「引き寄せる方法」まで教えてもらえる!」
ジョンは含み笑いをした。
トーシャ:「でも、神に主導権をとらせるというのは それとまったく別で、愛にゆだねるってことなの。」
トーシャ:「あのね、自己啓発の本は、改善版の「新エゴ」を手に入れることについて書いているものばかり。「願いを叶える」ってやつ。よくある「もっと欲しい」って訴える集会みたいな感じ。」
トーシャ:「だけど、「限界のあるエゴ」とその果てしない顔貌を満たすことが何の頼りになる? どうして、よりおおきな何かに引き受けてもらわないの?」
ジョンの瞳が輝いた。
ジョン:「うん、わかったよ」
ジョンはトーシャをハグした。
ジョン:「違いは、監獄の独房を模様替えするか、、または・・・ その扉から出ていくかだ」
トーシャ:「そう!」
それから、ふたりでそうした。
「願望実現」とか「欲しいものを引き寄せる」とか
小さい部屋であれこれ望んでいるだけだということか。
自分の中にいる神様はそれを全部わかっていて、
その神様に委ねるならば、
それが必要ならば正しいタイミングで受け取れる
と言っている。
その小さな部屋、独房から扉を開けて外に出る。
そこに自由と安心がある。
独房にいる自分に気付いて
もっと大きな広く自由なところに
行けばいい ということだ。
「月収100万 小遣い10万 年収1200万」
などと 毎日唱えていたことが恥ずかしい。
そんなのは必要があればそうなるし
今、そのタイミングでなければいずれそうなる。
それを信じられる者に
「私を変えて下さい」 という本なのだ。
文章にしてみてよくわかった。