観光バスが旅館に到着して、横付けするときに、誘導してたガイドさんを電柱の間に挟んでしまった事故です。
はっきり言ってこの事故はすべて〈リビドー〉の概念に還元できます。
〈リビドー〉とは、「関心」を物理学の〈エネルギー〉のように「保存則」が成り立つものであると仮定した場合の、その「関心」のことです。
単に仮定ですが、そうだと考えると全て上手く説明できるから、そう考えようというものです。
はっきり言って物理学の〈エネルギー〉も同じですね。
交通事故は「人」「車」「道」が原因とか言うみたいですが今回は、車に異常は無く、道も見通しは悪くありませんでした。
完全に人です。
でも、ボクはこの運転手が特別不注意で、いわば悪い人間だとは思いません。
長時間運転をして、乗客を無事に送り届けてきたところだったのです。
確実にホッとしてたのです。
そして、運転から駐車に切り替わる瞬間に、運転に向かっていた〈リビドー〉を無意識に喰われました。
リアカメラのモニターを見ていたようですが、見ていたけれど、見ていなかったのです。
意識が無くなったわけではないけれど、ふと何か別のことを考えていたのです。
ガイドさんにしても、やっと到着してお客さんのいないところに来ました。後はバスを誘導して終わりです。
彼女はバスと自分しか見えなくなっていました。
恐らく、後ろの電柱は、挟まれる寸前まで彼女の意識の外でした。
こんなことは、誰にでも起こりえます。悪条件が重なった不幸な事故です。
しかし、無理にでもどこかに原因を探すならば、注意喚起を怠ったバス会社と言わざるを得ません。
バス会社は社内の啓発活動とか言ってるようですが、あまり意味は無いように思います。
運転手もガイドさんも、十分解っていたはずだからです。
問題は、ホッとしたところで無意識に〈リビドー〉を持って行かれたことです。
ふと何か別のことを考えてしまったことです。
これを封じる方法として思いつくのは、これしかありません。
(c) くまみね
指差呼称というやつです。
作業の決まったタイミングで、気を付けるべきところを、指を差して声に出して発音するのです。
JRがやり始めたようなこと聴いたことあります。
一番前の車両に乗って運転手さん見たら、いくら馬鹿馬鹿しかろうがやってます。
前を指差して「出発進行」って。
後ろの車掌さんも、L字ゾーンに人がいないか、指差してます。
今回の事故も、
ガイドさんが、一度「後方を確認」って後ろを指差してたら、
運転手さんが「バックモニター確認、後退開始」
とかやってたら、見ているのに見ていないような状態は恐らく防げました。
ガイドさんもまだまだ若いし、運転手さんもこの先地獄です。
残念でなりません。