残念な『ガンダムF91』 V.S.B.R.とは | ボクとその周辺

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あと、日常のこととか、気が向いたら心理学関連も書くかもです。

スポーツカーをモチーフに、新しいガンダムを作っていこうとした作品ですが、テレビ版を作るお金が下りず、映画一作で終わってしまいました。


ちょこっとだけ、テレビ版で活躍するはずだったと思われる、〈ヴェスバー〉について解説です。




その前に、ここまでの『ガンダム』って、「最後に主人公が奇跡を起こす」って流れでしたよね。


設定書に書かれたせいで、最後の分身は放熱のために塗装が剥がれたことで、ラフレシアのセンサー類が攪乱されたことになってますが、あれはシーブックが起こした奇跡で間違いないと思いますけどね-。


設定書の記述は、あの世界の中の科学者が、そんな現象が起こったと聴いて、解釈したものってことで間違いないでしょう。




ここで、〈ヴェスバー〉の話に入ります。

〈ヴェスバー〉は〈V.S.B.R.〉、ヴァリアブル・スピード・ビーム・ライフルの略という設定です。可変速ビームライフルです。


設定書を見ると、

「高速で貫通力が高いビームから、低速で破壊力が高いビームまで、撃ち分けることができる」

みたいなことが書いてあります。

中学生ぐらいで見たとき、ピンときませんでした。


ゲームとかでも、『クロスボーンガンダム』でも、ただの強力なビーム砲です。

ゲーム作ってる人とかも、長谷川裕一も理解してません。

(『クロスボーンガンダム』そんなにちゃんと読んでないんで、強く言えませんが)



そのあと、微妙に軍事系の本を読みあさった時期があり、そのときになって、あのヴェスバーの説明が腑に落ちました。


ライフルの弾とハンドガンの弾のことを言っていたのです。


ライフルの弾は超音速で貫通力があり、人間の身体も貫通してしまいます。

厚い鉄筋コンクリートとかじゃないと防げません。

そして人間の身体を貫通するとき、音速を超えているので、どこかの臓器をかすったら、その臓器全てが超音波で破壊されます。


ハンドガンの弾は、人間の身体を貫通しません。

つまり、運動エネルギー全てが撃たれた人の身体に吸収されます。

決死の覚悟でナイフとか持って突撃しても、ハンドガンの弾を連続で食らうと、弾の持っている運動エネルギー全てが叩き込まれ、近付くことができません。


〈ヴェスバー〉とはこの2種類の性質を持ったビームを撃ち分けられるビームライフルなのです。



ライフル弾のようなビームは、普通のビームライフルですね。

『宇宙戦艦ヤマト 2199』の陽電子ビームのように爆発せず、貫通します。


ピストル弾のようなビームは、別作品で言うと、『ガンダムUC』でネェル・アーガマがハイパーメガ粒子砲で小惑星を弾いて玉突きやってたみたいに、物体を弾き飛ばしたり出来るんじゃ無いでしょうか。


たぶん、テレビになってたら、そういう撃ち分けをするシーンがあったはずです。

残念でなりません。




そして、おもちゃ屋の、対象年齢を低くしろという命令に逆らうことができず、『F91』テレビ版で使うはずだった設定をそのまま使って、主人公とヒロインの年齢を下げたのが『Vガンダム』です。たぶん。


主人公は連邦軍に正式に所属せず、腰の重い連邦軍の後押しをする形です。

主人公の母親はガンダムの開発に関わっていました。

ヒロインは、敵側のお姫様です。

敵は、バグとバイク戦艦、地上とコロニーという違いはあれど、キレイにしようとしていました。

そして、ギロチンも登場する予定だったのです。



こうしてみると『Vガンダム』が失敗作みたいですが、リアルタイムで観たガンダムで、思い入れがあります。


モビルスーツのデザインも、線が少なくても立体感が出るように工夫されてて素晴らしいです。

『∀ガンダム』はアニメーターさんが死にかけながら描いてる感じがします。


合体変形機構はカッコいいからあるというだけではないと教えてくれる作品です。

シュラク隊のお姉さんも、魅力的で、儚いです。



『F91』も『V』も魅力的ですので、平成ガンダムや『水星の魔女』しか知らない人にも是非みて欲しいです。

まあ、特に『V』は序盤にいきなりギロチンシーン出てきたり、お姉さんがえげつない殺されかたしたり、万人にお勧めとは言えませんけど。



最後に言っとくと、ハンドガンの弾でも自動車のドアぐらいは貫通するので、ドラマみたいにドアの影に隠れて銃弾を防ぐのは不可能です。

基本的に自動車では、エンジンぐらいしか銃弾を貫通しない部分はありません。