『貴婦人と一角獣』 | ボクとその周辺

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あと、日常のこととか、気が向いたら心理学関連も書くかもです。

いま『貴婦人と一角獣』という有名なタペストリーの展示をやってるらしいです。

これは一般に、視覚とか聴覚とか、五感を表してると言われてる五枚と、明らかに違う「我が唯一の望み」の、六枚からなります。

全部一通り見て、何か段階を踏んでいるのは簡単に見て取れます。
あと、五感を表してる、というのは若干怪しいです。



まず最初は「視覚」と言われてるコレです。なぜなら、後ろの樹が唯一低いです。



貴婦人が鏡を持ってます。そして、一角獣が貴婦人に擦り寄って、鏡をのぞき込み、鏡には一角獣が写ってます。
あと、反対側で獅子が旗を持ってます。


鏡は無意識の境界、貴婦人は男性から見て無意識の一つの捉えられ方(アニマ)と考えられます。

ならば、タペストリーにメインに描かれてるのが無意識側で、鏡の向こうが意識側です。
更に言えば、一角獣は自我が反映された無意識内のコンプレクス(人格までいかないけど、似たようなモノ)です。

あと、合わせ鏡な感じでいる獅子は、もうちょっと本能的な部分という感じでしょうか。



つぎが「聴覚」と言われてるコレです。



貴婦人がオルガンを弾いてて、侍女がふいごを動かしてます。
獅子と一角獣は、まさに合わせ鏡に旗を持ってます。
あと、獅子はさっきまで目をそらしてたのに、二匹とも音に惹かれるように貴婦人の方を向いてます。


音に惹かれてるのは判りますが、旗は何なのでしょう。

風といえば全体、単一な気、凝固したらモノとなる全ての元になるもの、そんなイメージです。
二つの動物が、それを旗で捉えている感じでしょうか。



音に引かれた一角獣は「触覚」と言われるコレで貴婦人に捕まえられてます。



見たとおり、貴婦人が左手で一角獣の角を、右手で獅子が持ってた旗を持ってます。


一角獣は、神秘的であると同時に、その角で突き刺される危険があります。
神話の神とサソリの両方が混じった感じです。

旧約聖書の神様も、洪水を起こしたり、ヨブの家族や本人を病気にしたり、危険な存在です。若干、一角獣に似たところがあります。

神様は聖処女マリアの腹に入ることで、新約聖書では、キリストとなり道徳的で人間を助けてくれる存在になりました。

なんかこのエピソードと似た感じがします。

旗については、世界へのつながりを一旦貴婦人に委ねたのでしょうか。
あと、一角獣と獅子に盾みたいなのがくっついてるのも気になります。


長いので、ここで一度切っときます。

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