認知症の両親と実家じまい -2ページ目

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08Sep
- あっけなく
  １１／２６　別荘片付けの日１０：００　別荘到着母の居室退去のタイムリミットが１２／１１までとのことで、この日は１日居室の片付けに充てる。何が必要になるか分からず、ゴミ袋や軍手などゴソゴソと持ち込み、気合を入れていざ臨む。１．シーツ類をまとめる２．タオル類、棚の敷物類を集める３．アルバムをひたすら大きなビニール袋に詰める４．おしりふき、ゴム手袋、掃除用品周りをまとめる５．小物（コップ、食器、歯ブラシ、文具など）をまとめる６．衣類の仕分け（要るもの、要らないもの）、ハンガーをまとめる７．加湿器、DVDプレーヤーを梱包する８．壁掛け時計を外す片付け始めれば、ものの３時間でだいたい整理がついた。約３年に渡った別荘生活も、３時間で収束してしまった。あっけないものだ。
07Sep
- 思い出せば会える
  ※１１／２５の日記より　続き（２）母亡き後も、気づけば両親のことは粛々と振り返っている。でも、過去を辿るのは良い。いつ頃からどう変化していったかを改めて再確認できるのが良い。こうして振り返り、綴る時間を持つと、その時間中は頭の中が当時にタイムスリップしていて、父さん母さんとの時間、二人がまだ生きている時をまるで一緒に過ごしているような感覚になるのね。それはとても良いことだと思って。もういないんだけれど、頭の中ではまた一緒にいて、より身近に感じられるというね。振り返って綴ることの効能。過去に思いを馳せることの効能。思い出せば会える！思い出に存分浸ろう！
06Sep
- とどめを刺す
  ※１１／２５の日記より「あれから約１週間。日常は続く。普通に馴染む。今日は母の写真をプリントアウトし、小さなパスケースに収め、お財布に入れる。やっていることは父と同じだ。思い返せば３月の頭に訪問看護師さんから、母さんの食事量が減ってきていること、今のうちにやっておきたいことがあれば、との連絡をもらっていた。やっぱり父さん火葬の日１／１６の入院が、とどめを刺したように思うね…。あの入院で、母さんの生活レベルがまたガクッと下がったように思う。入院直前のお正月には自力でお箸を使って普通におせちを食べていた。それなのに、この入院でとろみ食になっちゃって、食事介助も必須になってしまった。退院後、普通食に戻ってくれることを願っていたけれど、ついに戻らず仕舞いだった。父さんの念。どこへ行っても、空の上に逝っても、やっぱり母さんなしじゃダメなのね…。
05Sep
- 素早い
  １１／２１　母　火葬の日　続き（３）この日は午後に二女の予定が入っていたため、その後の会食は行わないことにした。旦那さんのお義母さんたちとは斎場でお別れする。旦那さんの車で、帰りがけに別荘に寄る。母の居室に向かうと、ベッドの上に敷かれていたマット類が全て撤去されていた。素早いものだ。そりゃそうか。とり急ぎ、布団だけ搬出して車に乗せる。また追々片付けよう。父の時は、このタイミングで母が救急車だったからなぁ。それを思うと、今回は何のトラブルも発生せず、何とも平和、穏やかである。とにかく一連の行事は終わった。
04Sep
- 「何か悲しくなってきた！」
  １１／２１　母　火葬の日　続き（２）火葬炉から収骨室に戻り、骨になった母が改めて運ばれてきた時にはもう、母の骨は部位ごとに仕分けされていた。２人１組で、お箸で母の骨をつまみ上げ、骨壺に入れる。三女が近づいてきて、その様子をじーっと観察していた。その後は職員の手に寄って骨壺に次々と母の骨が収められていく。その骨にそっと触れてみると、まだ熱を帯びている。触れられて良かった。父の時はそんな余裕はなかったような気がする。と、三女が唐突に「何か悲しくなってきた！」と笑顔で一言。悲しい時も笑顔で。素晴らしい。父より断然骨の量は少なく、骨壺の４分の３ほどに収まる。ザクザクと骨を砕いで骨壺に押し込んでいくあの作業は不要で良かった。骨壺は木箱に入れられ、骨壺カバーで覆われ、黒くて大きな四角い袋に収められて終了。
03Sep
- 母も、骨になる
  １１／２１　母　火葬の日　続き（１）はぁぁ。またこの憂鬱な待合時間というものがやってきた。また２階の待合室で、母が焼かれ終えるのを待つ。今回は二女がトランプを忍ばせて来ていたが、恥ずかしがって結局やらなかったんだったかな。皆で記念撮影をする。しばらくして終了のアナウンスが入り、皆は１Fの収骨室へ。今回は旦那さんも呼んで、姉と３人で母が火葬炉から出てくるところを見守る。母が骨になった。頭の骨が真っ白できれいだった。楕円形。両股関節の金具が燃え切らずに残っていた。お母さん……。
02Sep
- 「行ってらっしゃい！」
  １１／２１　母　火葬の日８：５０　斎場に集合父の時と同じ場所。そして今回も、旦那さんのお義母さん、お兄さん夫婦らも来てくれる。今回は駐車場に母の棺が車で運ばれてくるところから迎えることができた。母の棺を見守りながら進み、父の時と同じ一番左の告別室に通される。母の棺の蓋を開けてもらい、これが本当に最期の母との時間。やっぱり寂しい。炉に入ってしまう直前が一番苦しい。母の身体、肉体がなくなってしまう寸前。お母さーーーーん。涙も出てくるよ、そりゃ。三女が近くに寄り添って来てくれる。三女を抱き上げ、一緒に母が火葬炉の中に入っていくのを見届けた。父の元へ行くのだから良いことなんだけど、それでもやっぱり寂しい。悲しい。でも、「さよなら」じゃなくて、父の元へ「行ってらっしゃい！」だと思った。
01Sep
- 中華で締めくくる
  １１／２０　１５：３０〜　献杯終了後、父の時と同じく近くの中華料理屋さんへ。皆で献杯、軽く会食をする。こちらのテーブルにも、母の顔写真と両親ツーショットの写真（A4サイズいっぱいに大きくプリントしたもの）をデカデカと並べる。思えば昔は家族でよく近所の中華料理店へ行ってたなぁ。両親そろってビールは必須。父は酢豚にタンメン、カツ煮。母は焼きそばがお決まりのオーダーだった。別荘入居前の最後の晩餐も、その料理屋から出前をしたんだった。何だか中華づいている。中華で締めくくるのもまぁ良いか。
31Aug
- 良い時間
  １１／２０　１４：００〜　「旅立ちの会」　続き（６）４．しばし母との対話の時間母の棺を囲み、長テーブルに飾った昔のアルバムや写真を皆で手に取りながら思い出話をする。一段落した頃合いを見計らってスタッフさんを呼びに行き、棺の蓋を皆で閉める。用意された花束を棺の上に添えて終了。とにかく今回は、最後まで自然な母の姿のままなのが嬉しい。顔も服もそのまま。極力いじらず何もせず。皆で母を囲み、良い時間だったと思う。父の時は悲しみが強かったように思うが、母の時はより味わい深く感じる。少し肩の力を抜いて臨めた。やはり２度目というのが大きい。
30Aug
- 深紅のバラに埋もれる
  １１／２０　１４：００〜　「旅立ちの会」　続き（５）３．お花を敷き詰める思い出の品々で覆われた母に、更なるお花が添えられる。ユリ、トルコキキョウ、バラ、カーネーション、スターチスなど、大きなお盆に盛られた色とりどりのお花が到着するなり、娘たちが「お花やりたい！」と率先し、母の棺の中にどんどんとお花を敷き詰めてゆく。父の時もそうだったが、お花に関しては娘たちは積極的だ。そして最後に例の赤バラ４５本登場。他の花々のようにお花の部分だけではなく、茎と葉っぱも付いたままの状態で、なかなかの豪華さ。皆で赤バラを手にし、母の顔周りを中心に並べ込む。深紅のバラに埋もれる母の顔。ずいぶんとゴージャス。これはこれで良いか！お花を全て敷き詰めたところで、また皆で記念撮影。そういえばこの日は母の真っ赤な－セーターを着て来ていたんだった。まるで示し合わせたかのように、バラとわたしのセーターの赤がお揃いの装いになっている。
29Aug
- 末期の水
  １１／２０　１４：００〜　「旅立ちの会」　続き（４）ここで、スタッフさんより綿棒のようなものを手渡される。水で濡らした綿棒で母の口元を湿らせるという「末期の水」の儀式らしい。聞いたことはあったが、行うのは初めて。何でこんなことをするのか？この儀式には「故人が渇きや飢えで苦しまないように、安らかにあの世へ旅立てるように」という願いが込められているそうだ。父の時は確かやっていない。全般的に、母の時のほうが一つ一つの行程が丁寧に為されている気がする。母のテカテカの口紅が落ちないよう、わずかに綿棒の先を母の口元に当てた。
28Aug
- 思い出の品
  １１／２０　１４：００〜　「旅立ちの会」　続き（３）２．思い出の品を棺に収める母のお化粧直しを終えると、スタッフさんが母の胸の上、お腹の上にドライアイスを乗せる。その後、思い出の品を棺の中に入れてゆく。・父との写真・家族写真・別荘からの色紙・娘たちの書いた手紙やお絵描き・思い出深い母の洋服・母がいつも持ち歩いていた手提げカバン・母の鮮やかなピンク色のお財布・母が別荘でいつも履いていた室内履き・母の歯磨き用コップなどなど。母の身体が思い出の品々で覆われる。このあたりでO先生ご到着。この日も駆け付けてくれて有難い限り。
27Aug
- 納棺
  １１／２０　１４：００〜　「旅立ちの会」　続き（２）１．納棺写真撮影後、納棺の儀式。母のストレッチャーの下に敷かれた白い布をみんなで持ち、グイっと引っ張り上げて、隣に設置された棺の中へ入れる。スタッフさんが、棺に納まった母の顔の両側にドライアイスを置く。姉が母の口紅を塗り直そうとすると、スタッフさんが透かさず「これ使いますか？」とリップブラシを差し伸べてくれる。母にお化粧を施す姉の様子を興味深げに見ている二女。尚子「一緒にやったら？　ばぁちゃんのメイク！　ほら、きれいになってるよ。」二女「……。」その間にも姉が入念に塗り込み、母の唇はみるみる色付いてゆく。次女は躊躇していたが、最後の最後に手を伸ばし、姉からリップブラシを受け取る。棺の上に顔を出し、母の唇にそぉっとブラシをなぞった。三女もつられてやりたいと、お義兄さんに抱っこしてもらい、母の顔を覗き込む。リップブラシを受け取ると、母の下唇にちょんちょんと数回当てた後、「もういい！」と終了。二人とも、緊張しつつもよくできました！
26Aug
- これ切りなので
  １１／２０　１４：００〜　「旅立ちの会」　続き（１）ほどなくして、母の妹、旦那さんのお義母さん、旦那さんのお兄さん夫婦らが次々と到着。皆揃ったところで、１４：００から旅立ちの会を始める。納棺の前に、まずは皆で集合写真を撮ることに。ストレッチャーに横たえられている母の後ろに皆で並ぶ。母を覆っていた布はすべて取り払われ、母の私服姿が露になる。足元の両親の名入りの白い靴下が微笑ましい。母の口はわずかに開いたまま。この頃には娘たちもだいぶ緊張がほぐれ、写真には笑顔でピースサインまでして写っている。スタッフさんが数枚を取り終えたところで「これで大丈夫ですか？」と声をかけに来てくれる。写真を確認すると、母の片側しか見えないのが気になったので、母の顔と体が正面から写るように再度お願いをする。すると、スタッフさんが椅子の上に乗り、出来る限り上の方から撮り直してくれた。いちいち注文が多く申し訳ないのだが、もうこれ切りなので遠慮している場合ではない。
25Aug
- 旅立ちの会
  １１／２０　１４：００〜　「旅立ちの会」昨日から今日にかけて、会場に飾る写真などの準備をせっせとする。やっていることは父の時と同じだ。昨日は丸１日会いに行けなかったので、あれから母が一体どこまで変化しているか…　やや緊張の面持ちで向かう。１３：２０頃　葬儀社に到着母は父の「旅立ちの会」の時と同じ部屋に移されていた。ストレッチャーの上に白いふかふかの布が敷かれ、その上に寝かされていた。急ぎ足で母の顔を覗き込む。一昨日とさほど変わりなく、ほっとする。肌もとてもきれい。まるで眠っているかのよう。娘たちは母の横に持ってきた椅子によじ登り、母とご対面。二人ともやや緊張の面持ち。父の時は怖がって最初は顔も見られなかったから、それに比べれば少しは慣れつつあるといったところか。変わらぬ母の姿が見られてほっと一安心した後、わたしは長テーブルに母の写真、アルバムなどをせっせと飾り、会場の準備を進める。
24Aug
- 赤バラ４５本
  １１／１８　続き（７）父の時の教訓から、化粧など一切施さないこと、口も閉じないこと、洋服もこのままなどといった要望を抜かりなく伝える。極力何もしないで欲しいと。予算が少し余った分は、棺に入れるお花に充てることに。バラが４５本追加で入れられるとのことで、ここは赤バラをオーダーしてみる。一体どんな感じになるのだろうか！父の時と違ったのは、納棺を一緒にするか？　と問われたこと。母が今乗せられているストレッチャーから棺に移動する流れを、わたしたちも一緒に見届けることもできるらしい。父の時はこの説明はなく、自動的にもう棺に収められていた。ならばぜひ一緒にしたいと希望を伝えると、１１／２０の旅立ちの会の時に皆で納棺しようということに決まる。１１時過ぎには諸々の打ち合わせが終わったのかな。葬儀社を出て電車で自宅に戻る。昨夜はほぼほぼ眠っておらず、車中で座席に腰を下ろした途端、頭がぼうっとする。しばし眠りたい。お風呂も早く入りたい。
23Aug
- 勝手知ったる
  １１／１８　続き（６）確か姉と二人で一緒に葬儀屋さんの車に乗り込んだんだったかな。車が発車し、別荘を去る車中では、更に悲しさがこみ上げてくる。父の時と同じ。もう二度と母はここに戻ることはないのだから。１０：００　葬儀社に到着母、安置室に運ばれる。母の姿を見届けた後、隣の部屋で火葬の打ち合わせ。ついこの間、１月に父で経験済みなので、二度目ともなると勝手知ったる感じで落ち着いて取り決める。父の時はとても冷静に判断などできず、ほぼ旦那さんに代替わりしてもらっていた。火葬は１１／２１の朝９：００〜、「旅立ちの会」はその前日１１／２０の１４：００〜に決まる。
22Aug
- 何度も何度も
  １１／１８　続き（５）思えばわたしも別荘にはずいぶん通った。しつこくしつこく、何度も何度も。しかも漏れなく子どもたち同伴だったので、いたずらしたり、駆け回ったり、泣き喚いたりと、毎回お騒がせだっただろう。コロナ蔓延で面会謝絶の時も、一瞬でもいいからと頼み込み、ドア越しに両親の様子を見せてもらったりもした。つい、横にいた馴染みのスタッフさんに「ほんとに何度も何度も来て…　すみませんでしたね」と漏らしてしまう。「いいんですよ、そんな、こちらのことはいいんです」と言ってくださる。
21Aug
- 終の棲家
  １１／１８　続き（４）別荘の日勤スタッフさんたちがエントランスのところに集まっていた。「淳子さんのお顔だけ見せてほしい」とのことで、葬儀屋さんが布袋のチャックを少し開くと、母の顔だけが現れる。その瞬間、スタッフさんたちの表情がくしゃっとなる。母、スタッフさんと最後のお別れ。チャックが閉じられ、葬儀屋さんの車に母のストレッチャーが乗せられていく瞬間、一気に胸が締め付けられる思いがする。もう二度と母が別荘で過ごすことはないのだと思ったら、もの悲しくなってしまった。別荘というこの場所も、母にとっては実家の次なる終の棲家だったわけで。
20Aug
- 退去説明
  １１／１８　続き（３）８：００頃だったか、姉が起きてやって来る。昨日コンビニで買ったおにぎりを二人して食べる。９：００過ぎ施設長がやってきて、早々にこの居室の退去についての説明を受ける。こちらももうだいぶ落ち着いていたので、冷静に話を聞く。この施設長、いつ何時も明るくサバサバと業務的なのが気持ち良い。１２／１１を目処に退去する方向に。９：３０葬儀屋さん到着一旦退室を促され、休憩室で待機。準備OKとのことで居室に戻ると、母はストレッチャーに乗せられていて、チャック付きの茶色い布袋で全体を覆われていた。顔もすっぽり包まれて隠れている。このストレッチャーで居室を出て、外の駐車場まで運ばれる。