ひとつの曲の中に、違う曲が入った楽曲のことを「アンコ入りの曲」などと言うようです。
例えば
『舟唄』/八代亜紀
ご存じの通り、この曲の途中には大正時代の流行歌『ダンチョネ節』が挿入されていますね。
他にもアンコ入りの曲は
・『南国土佐を後にして』/ペギー葉山
(『よさこい節』を挿入)
・『おけさ唄えば』/橋幸夫
(『佐渡おけさ』を挿入)
・『あばれ太鼓』/坂本冬美
(『無法一代』を挿入)
などが有名なようです。
アンコとして入る歌は、一般に良く知られている浪曲・民謡が定番ですね。
原曲をオマージュしつつ、新たな世界観を創り上げてゆく編曲手法なのでしょう。
ただ「浪曲」は語りを伴う歌ですので「アンコ入り」と「セリフ入り」はひとくくりで語られることが多いみたいです。
こんなCDも発売されています。
艶歌アンコ・セリフ入り大全集
ジャケットは『名月赤城山』でしょう。
「赤城の山も今宵限り~」という国定忠治の名台詞が挿入されるナンバーですね。
こういうアンコ入り、洋楽でもたまに聴けるんじゃないでしょうか。
最近、洋楽のアンコ入りで良いなと思ったのは、アイスエイジの『ハイ&ハート』という曲です。
(曲の途中に、ゴスペルのスタンダードナンバー「Will The Circle Be Unbroken」が効果的に挿入されています)
また、曲の間奏がパッヘルベルのカノンになってたり、バッハのG線上のアリアになってたりはよくありますけど、これらも「アンコ入りの曲」と言って良いのかも知れません。
『High & Hurt』/Iceage
あと洋楽の曲では、2つの異なった楽曲を組み合わせるマッシュアップ(=Mashup)もありますよね。
あれもアンコ的発想なのかもです。
一方、ごく単純に「セリフ入りの曲」というのは、世の中にかなり溢れているんじゃないでしょうか。
古い奴だとお思いでしょうが、古い奴こそ新しいものを欲しがるもんでございます。
(『傷だらけの人生』/鶴田浩二)
(『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』/ダウンタウン・ブギウギバンド)
…さっきから、古いけど(爆)。
この「セリフ入りの曲」は、令和の現在でもいろいろリリースされてますし、数えたらキリがないと思います。
全編がセリフというパターンもあるし、ラップっていうのも、まあセリフですよねえ。。。
でもセリフ入りの曲って、カラオケなんかで歌うと、妙に照れません?(笑)。
前にバンドのライブで「Time Is on My Side」を歌ったことがあるんですけど、途中で英語のセリフが入るんですよね。
「ヤバイ、英語なんかで語っちゃってる」
「うわぁぁ、ごめんなさい」
「穴があったら、すぐ入ります~」
な、気分になった事があります(ノ∀`)
そんな中、フラワーカンパニーズの『東京タワー』は大好きな曲ですね。
セリフ入りの名曲だと思います。
夢がなくて 金がなくて
未来が暗くても
友がなくて 彼女がなくて
体が弱くても…
『東京タワー』/フラワーカンパニーズ
ヘイヘイホーで
奥歯かんで
明日もとりあえず生きるかー。