マレン・モリス/『ガール』アルバムレビュー | Baby you a song

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 マレン・モリス(Maren Morris)のニュー・アルバム『ガール(Girl)』をレビューしてみようと思います。

 マレン・モリス!
この人、好きですね~♪
ジャンル的にはカントリーなんですが、音楽性はちょっと骨太で泥臭いサザンロック寄りでしょうか。

マレンモリス
マレン・モリス(Maren Morris)
1990年4月10日生まれ(28歳)
出身/テキサス州アーリントン
身長/153cm
職業/歌手、ソングライター
ジャンル/カントリー・ポップ
活動/2005年~現在


 テイラー・スウィフト(1989年12月13日生まれ)と、ほぼ同年代。
 ただテイラーが『ティム・マックグロウ』なんてデビュー曲で、この憧れのシンガーを取り上げた時、マレンは既に職業作家として注目されており、ティム・マックグロウにも曲を提供しているという実力派です。

 2016年リリースのシングル『マイ・チャーチ(My Church)』で、ようやくソロ・アーティストとして脚光を浴びることになるんですが、このヒットナンバー収録の1stアルバム『ヒーロー(Hero)』から、約3年振り、2作目となるアルバムが今年3月リリースされました。


『Girl』/Maren Morris 
マレンモリスのアルバム
『ガール』/マレン・モリス(2019年3月8日リリース)
1.Girl 
2.The Feels
3.All My Favorite People (featuring Brothers Osborne )
4.A Song for Everything
5.Common(featuring Brandi Carlile )
6.Flavor
7.Make Out with Me
8.Gold Love
9.Great Ones
10.RSVP
11.To Hell & Back
12.The Bones 
13.Good Woman
14.Shade


 まずこのアルバムが面白いのは、7曲目『Make Out with Me』の前に「この曲でレコードのSIDE.1が終了します。裏返してSIDE.2を聴いてください」というアナウンスが収録されていることです。

 つまり1~7曲目がA面、8~14曲目がB面ですよ、と。

 勿論マレンモリスはアナログ時代のアーティストではありませんけど、これは心憎いアイディア♪ なるほど、これなら最後までダレずにアルバム一枚を聴けそうですよねえ。

 さて、昨年、ZEDDとの意外なコラボ『ザ・ミドル』がスマッシュヒットしたマレン・モリス。その延長でこの新作もエレクトロっぽいナンバーが多いのかな~とも思いましたが、良い意味で真逆の音楽性を示してくれました。
 アルバムの基本を貫いているのはサザン・ロックやカントリー・ロック風のアーシーなテイスト。手作り感に溢れた、本来のマレンモリスらしいアルバムが、この『ガール(Girl)』といって良いでしょう。

 まずアルバム1曲目、シンプルなギターリフとヘヴィなドラムが導くタイトルナンバー『Girl』は、「自分を愛し、ポジティブに生きるんだ」という彼女のヒューマニズム・アンセム。

 このオープニングが最高~に格好いい! 

 2曲目『The Feels』は意表を突いたメーガン・トレイナー風のうきうきバブルバム・ポップ。

 3曲目はジョン・オズボーンのギターソロが炸裂するドリー・パートン・テイストの『All My Favorite People』。
 オープニングから3曲の流れで、この新作が傑作であることを確信ですね~(>▽<)b

 なかでも最大の問題作(?)は、ブランディ・カーライル(今年のグラミー賞主要3部門にノミネート!)とのコラボナンバー『Common』でしょうか。
 「正直に言うと、私は神が何であるかわからない」とズバリ歌うマレン・モリス・・・。
出だしのAメロ・Bメロはマイナーですが、サビのシャウトから急に転調して、メジャーの感動的なリフレインが続きます。

『Common』/Maren Morris featuring Brandi Carlile


『コモン』/マレン・モリス featuring ブランディ・カーライル

 『世界は今、政治的、社会的、宗教的な違いで荒廃している』と言うマレンモリス。

 歌詞は「神が何かなんて知らない」「でも私たちには共通する(Common)ものが多くある」「戦う意味って何だろう?」という内容です。
 2016年のヒット曲『マイ・チャーチ』は、ある意味「教会否定」のニュアンスも含んでいましたけど、こういう大胆なテーマで曲を作っちゃうところが、やはりこの人のタダモノじゃなさ!


 そして、A面最後の曲となるのが『Make Out with Me』。50年代の音楽へのリスペクトを感じる涙ちょちょぎれのスローバラードです。
 この余韻を残して、「よっこいしょ」とディスクをB面にひっくり返します。

マレンモリスのジャケット

 ここで、オールドロックファンのみなさん。

 アナログレコードのA面・B面を、どうぞ思い出してください。
 たとえばクイーンの『Queen Ⅱ』なんか、A面がブライアン・メイの「ホワイト・サイド」、B面がフレディ・マーキュリーの「ブラック・サイド」なんてコンセプトでしたよね。
 まあこの例を出すまでもなくA面・B面の構成って、アーティストにとって音楽表現の見せどころ♪

 マレン・モリスは、A面を派手なノリノリのロック、また社会へのメッセージといったカラフルな内容にしましたが、B面は、じわぁぁんと心に滲みるアコースティック中心のカントリーテイストでまとめています。

 特にソウルフルなロッカバラード『Good Woman』、サザンゴスペル調の『Shade』というセツナ系ソング2曲は、マレンモリスの本領発揮。彼女のソングライターとしての卓越した才能を感じ取ることが出来るはずです。

 説得力あるパワフルな歌唱も素晴らしい!

(尚、このアルバム『ガール』は全米のアルバムチャートBillboard200で、最高4位を記録しています。)

 

マレンモリスのツアー

マレン・モリス「ガール:ザ・ワールド・ツアー(Girl: The World Tour)」

 

 さて、現在「ガール:ザ・ワールド・ツアー(Girl: The World Tour)」真っ最中のマレン・モリスなんですが、そのセットリストを見ると、オープニングに『ガール』、エンディングには『マイ・チャーチ』。アンコールは、このアルバムのラストナンバー『シェイド』と、昨年大ヒットの『ザ・ミドル』という2曲。 

 これ、ちょっとわくわくする構成ですよね~(☆∀☆)


 ワールド・ツアーは3~8月とアメリカ、ヨーロッパ、オセアニアを巡るようなんですけど、カントリーツンドラ地帯(笑)の日本にゃ来ないわなぁぁぁ・゚・(ノ∀`)・゚・。

 

 

じゃ、最後にオマケで・・・


テイラー・スウィフト&マレンモリス『ザ・ミドル』(2018年10月5日)

 昨年10月テキサス州アーリントンで行われたテイラー・スウィフト「レピュテーション・ツアー」でのテイラー・スウィフトとマレン・モリスの共演です。
 マレンモリスは公演後のコメントで「彼女はスーパースター(she's a superstar)」と語り、テイラースウィフトは「このアーティストのスーパーファン(a superfan of this artist)」と語っています。

 日本のテイラー・スウィフト・ファンの皆さんも、ぜひ、マレン・モリスに興味を持っていただければ幸いでございます~(^ー^* )b