そしてそして今回はさらに、アカデミー賞6部門で候補にノミネートされた
ブリッジ・オブ・スパイ
とりあえず以下の感想はネタバレなど全く気にせず書くので、まっさらな気持ちで観たい人は鑑賞後にお戻りください。
とりあえずの感想を言うなら、いつものトム・ハンクスでした。
重厚な画面とストーリー。そして今作は意外とシンプルな作りでわかりやすく、楽しかった。
トム・ハンクスがおやじ狩りされるシーンなどの細かなサスペンス要素もバッチリでさすがのスピルバーグ&コーエン姉弟だなという印象。
ギャグの質も高い。特にアベル夫人(仮)。あの寒い演技からの凜とした姿勢での退室。面白すぎる。
そりゃあアカデミー賞6部門の候補にノミネートされてるんだから面白くないわけないよね。
ただね、すごいアカデミー賞っぽい映画だなぁという印象を受けたのも事実。雰囲気ね。
というのもこの映画、すごいアメリカ万歳な感が否めないんだよね。なんだかアメリカの美談を見せられてる気がして(これも雰囲気ね)、終盤まで結構ノレてなかった。
映画内でアベルを裁判にかけるのは国民に対する体裁を保つためなわけだけど、それって「やっぱアメリカは平等で最高だぜ!」ってことを国民に言いたかったってことだよね。
なんかその感じが、このアメリカン人の美談映画がアカデミー賞にノミネートされて「やっぱアメリカは最高だぜ!」ってなってる今の状態(想像)とオーバラップして嫌だったんだよね。トム・ハンクス以外のアメリカ人はまぁ置いておいて、トム・ハンクスという1人のアメリカ人がすごく頑張る映画だからね。出身は違うけど。
結局、表面上だけ綺麗に着飾って、ワァーーー!ってやってる感じが否めなかったんだよね。
実際今回のアカデミー賞だって「Oscars So White」って言われてるわけでしょ。そんな事は見えないようにしてキャッキャしてる感じと、この映画のアベルの裁判のところがオーバラップしちゃったんだよね。
特に嫌だったのが、パワーズの睡眠不足尋問シーンとアベルの待遇の対比。あそこだけ観たら、アメリカ人が優しくて、ソ連軍はひどいんだよね。あれは正直酷いなと思ってしまった。史実に忠実だったりするのかな。わからないけど、とにかく嫌な対比だった。
でもね、終盤も終盤でその不満は綺麗さっぱり払拭。
橋のところでの"不屈な男"のくだりはしみる。あのシーンで「あっ。これは男と男の話。果ては漢の話なんだな」と心が洗われたのでした。
さらに自ら命を絶たなかったパワーズへの苛立ちからの村八分具合やら、電車内であの時のおばさんが手のひらを返して微笑む胸糞悪いシーンなど、アメリカ側のいや~~~な描写が続く(おばさんの奴はたぶん意図が違うけど、個人的に卑怯な感じが胸糞悪かったのでご容赦ください)。
製作者側のバランス感覚か、はたまた良心か。とにかくこれらのシーンが俺の心のバランスをとってくれたので良かった。
そんなこんなで結果、すごい良い映画でした(^-^)
ただ1つ疑問だったのは、やたらと3回繰り返すこと。
「不安じゃないのか?」
「役に立つのか?」
っていうやりとりも3回やってたと思うし、何かと3回繰り返すセリフが多かったんだけど、何かの意図があるのかなぁ。
わからん。
