『君の名は。』
そーいえば『シン・ゴジラ』と比べて震災どうこう言うレビューをいくつか見た気がする。
個人的にはそんな映画では全くない。(もちろんトラウマなどで気分を害する可能性がないわけではない。)
この映画はいつも通りというべきか、圧倒的新海誠力が爆発した映画だと思う。
つまり“圧倒的童貞感”。
言い方を変えるなら"純粋無垢なロマンチスト且つファンタジスト"なんだろな。
というか真顔のポエマー。
今作で描かれるのは、羨ましいほどの圧倒的"運命"。
運命によって巡り合わされた2人が、そりゃ恋に落ちますよ。という話。
いつも通り時間や関係性の“すれ違い”の話しでもある。すれ違いの話も大好きなんだよねこの人。
思い出したのはプラトンの愛の起源。
というか映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』。
(上記映画内で使われている名曲「愛の起源」は下の画像をクリック)
描いてる要素の1つにどちらも同じ"愛の希求"がある。「あなたと1つになる運命!」そんなお話。
決定的な違いといえば、それはアニメか実写かの違い。
もっといえば人間に備わってる生々しさや醜さが描かれているかどうか。
もちろん生々しさゼロで描いてみせるのが今作だし、人間の生々しさを全く排除できるのはアニメの特権でもあると思う。
それだけに「くそ寒い!」と思う人がいても当然。
新海誠監督の作品で描かれるようなことは無いからね、ぶっちゃけ。
今作では聖地巡礼とかが問題(?)になってる。これって見た人がこの作品を現実に落とし込んじゃった結果だと思う。人の幸せなんて人それぞれだからとやかく言うもんじゃ無いのはわかるけど、個人的にはこの作品は(というか新海誠監督作は)「こんなことあるわけねぇだろ!」って言いながら、家に帰って『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』でも見て、穢れみたいなものを見に纏う方が幸せな気がする。
だって人間だもの。byみつお
今作が万人に受け入れられてるのは、多分RADWIMPSの力とサスペンス要素がまぁまぁ強いからだと思う。皮を被っとるんですわ(ゲス顔)。
皮被ってるからいつもの新海誠要素がうすまって見えるんだと思う。(それだけにいつもの新海節ど真ん中を期待してる人は、若干の肩透かしをくらうかも。俺みたいに(^-^))
それに確かに新海節が薄まっている可能性もある。前テレビでやってたインタビューなんかを見てると、確かに震災を意識している感はあるから。
その辺の新海節の薄さが万人に受ける理由じゃないかな。
さらに言えば、完全なハッピーエンドも今までの新海誠とは少し違うところ。いつもはすれ違った果てに大体むず痒いところで終わるのが新海誠であったし、そこに「くぅーーーーー」ってなるのが新海誠だった。でも今回はすっきりハッピーエンド。この辺も万人受けする理由かも。
『ヒミズ』で園子温監督が、震災の影響を受けてラストをハッピーエンドにしたように、この映画においても震災が何かしらの影響を与えたのかもしれないね。
でも結局、新海誠が作品の中で暗に描いてることっていつも
「男だって白馬に乗ったお姫様を待ってるんだから!」
とか
「俺もこんな恋してぇぇぇぇぇええええ!!!」
ってことだろう。今回薄いけど。そこがスーパー残念ではあるんだけど。
いや、わかるよ。わかる。けれどちゃんと現実見ようか。
みたいに、反面教師にしながら楽しむのが個人的には新海誠の楽しみ方。なので今回は残念。


