沢山のお客様に観ていただけて幸せでした。
富樫左衛門を演じるのはやはり難しくて、自分の非力さを嘆くこともありましたが、邦生さんや木ノ下先生のおかげで、以前より深く彼を表現できた気がします。
境遇や立場が違うだけで、彼も僕らと変わらない普通に生きている一人の人間だということを改めて意識し、前回よりも身近で、人間味のある富樫になりました。
いまも世界のどこかに富樫左衛門のような人はいると思うし、どんな役を演じているときも願っている事ですが、誰かが彼の姿を観て少しでも孤独ではないと思えたり、人生の慰めになれば、こんなに幸せなことはないと思っています。
千穐楽の本番前に楽屋で空を見上げていたら、てんとう虫を見つけました。
それまで、もっと富樫の心情をうまく表現できるはずだ、と少し思い詰めてしまっていたのですが、てんとう虫の姿をぼうっと眺めていたらとても心が晴れやかになり、とにかく心をたくさん動かそう、という初心にかえり、とても気持ちよく本番を迎えることができました。
てんとう虫さん。ありがとう。
今年の秋に"ジャポニスム2018"という企画で、この作品をパリのポンピドゥセンターで上演します。
パリ公演の前に横浜公演で演じる感覚とお客様の反応を改めて確認することができ、とても励みになりました。
国境というボーダーラインを越えて、この作品を観ていただけるのがとても楽しみです。
2016年にリクリエーションした「勧進帳」を初めて上演した、信州・まつもと大歌舞伎へ再び参加させていただきます。
そして、今回も「三番叟」をリクリエーションして上演するということで、とても楽しみであると同時に身が引き締まる思いです。
「K.テンペスト 2017」以来、三度目の松本。
初めて「勧進帳」で訪れて以来、毎年松本で作品を発表する機会があり、とても縁を感じています。
行く度に役者として得難い経験をしているので、僕にとって聖地のような場所です。
頑張りますので、是非楽しみにしていてください。
3月9日・16日は二週連続で「ちはやふる 上の句・下の句」が日本テレビの〈金曜ロードSHOW!〉で地上波初放送します。
観てくださった方も、まだの方も、沢山の方に「ちはやふる」の世界が届きますように。
そして、3月17日公開の「ちはやふる ー結びー」を観に、是非劇場に足を運んでくだされば幸いです。
また「ちはやふる ー結びー」のことについては、改めて書きます。
では、春はもう目の前!