マイク無しは「蝿の王」というストレート・プレイで経験したことがあるので、初めてではないけれど、それでも普段とは勝手が違うものだと思って取り掛かるしかなかった。
一番違和感になるのは、感情の強弱表現の「弱」の部分の出し方を変える必要があることだろう。
マイクがあると思ってリアルに声まで弱々しくしてしまっては、聞こえなくなってしまう。
次に、声を張らないイメージの役なのに、客席全てに届くくらいは大きな声を出さなければいけないこと。
特に今回は原作があるので、そのイメージが大事になるし自分で操作できるものではない。
どれぐらいの声を出せば届くかは劇場に行かないと分からないし、ステージの奥と手前では、声の出し方もまた変わるはず。
でも、そういう微調整は不安要素というよりは、楽しみな要素だ。
1ヶ月も稽古した自分の得意料理を、初めていく友人宅のキッチンで調理するような、そんな感覚。
慣れてない場所だけど、やることは一緒、作るものも一緒。
さぁ、美味しい料理を召し上がれ。
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