風神 あ~る・ベルンハルトJrの「夜更けのラプソディ」 -99ページ目

「上着、脱いでいいかな?」
「いちいち断らなくてもいいのよ。どうぞお楽に」みずきが軽く頷いた。

ダブルのジャケットを脱ぐと、近づいてきたウエイトレスがすかさず両手を差し出した。
「お預かりします」
「あ、椅子の背に掛けるからいいよ。内ポケットに大金が入ってるし」

年若いウエイトレスは、そうですか、とふっと笑った。冗談は通じたようだ。

「みずきは何にする? マティーニ?」
私の問いかけに「ううん」と短い髪を揺らした。

二人が腰を落ち着けたのは、古びたバーのカウンター席だった。何より背の高いスツールではなく、ゆったりと座れる肘付きの椅子なのが気に入っていた。



古びたバーといっても、薄汚れ寂れているわけではない。
オークの使い込んだ風合いが、店内の落ち着いたブラウンによく溶け合い、カウンターの壁面には、バックライトに照らされたスピリッツやリキュールボトルの数々が小気味よいぐらいに整然と並んでいた。

奥の中央にはステージが設(しつら)えられ、その近くのボックス席もゆったりとした作りになっている。キャパシティはざっと80人ほどだろうか。

ジャズマンたちは休憩時間とあって、黒いグランドピアノとドラムとウッドベースが、店内照明を鈍く照り返していた。

「たまにはテキーラが飲みたいわね」
しっとりと潤んだ瞳をこちらに向けると、耳に付いている小さいシルバーリングのピアスがきらりと揺れた。

何年前だろう、どこかの路面店でおふざけのように買ってあげたこのピアスを、みずきはいたく気に入っていた。

世間でいかに評価された物を身につけているかなんて無意味なのよ。そんなものに価値を見いだそうとする人間は病んでいるわ。

身につける本人が気に入っていればそれでいいの。そこに人様の作り上げた価値観をはめ込もうとする人間は哀しいわ。

「マルガリータか」みずきはまた首を振った。
「というか、キンキンに冷えたテキーラに真っ二つのライムと塩が欲しいわ」人差し指でナイフのまねをする。
「冷えたのがなければオンザロックでも」

「テキーラ日和か。なんかやけになってるのか?」笑いかける私に、ふふっとみずきの含み笑いが返ってきた。

「ヤケにならない方がいいのは、あなたよ」

「よせよ」
ほんと、よしてよねぇ。みずきの言葉がかぶってくる。
「うじうじと悩んで過ごせるほど人生は長くはないわ」

「そうか。人生は長くない、か。かもな。どうする? アニェホがいいかな」
「ううん、熟成なんてされてないのがいい、安いのでいいのよ。ブランコでいいわ。チビチビじゃなくてクッと飲みたい」
口元でグラスを傾ける仕草に、私は微笑んで頷いた。

華奢な体に細いあご。私はみずきの口から紡(つむ)ぎ出される物語が大好きだった。


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ネタのない日は再掲で逃げる。タイトルは変更しました。たぶん多少手を加えます。


「さぁ、あなたの心の重しを取りましょう」ラメでもまき散らしたかのように光り輝く妖精が、目の前に舞い降りた。大きさはどうだろう。20センチもないだろうか。

「あなたの一番の悩みはなんですか?」クッと小首を傾げながら微笑む妖精の問いに、私はゆっくりと口を開き、ため息混じりに呟いた。
「悩みがありすぎてよく分かりません」

「友達はいますか?」しばらく考えた私は首を振った。
「分かりません」

ふむふむと頷いた妖精は、では、質問を変えます! と人差し指を立てた。
「この世で誰が一番憎いですか?」
私は即座に「一番も二番もありません。そんな人いません」と答えた。



「それは、とてもすてきです」と妖精は笑った。
「質問だけで答えはないんですか?」
いたずらっぽい笑みを浮かべた妖精は背中を向けてパソコンデスクの上を歩き出した。そして、ま~だ吸ってる! と呟き煙草の箱を蹴った。それから振り向き、再び人差し指を立てた。

「悩みがひとつ解決したら、その先にまた悩みが出てくるのですね?」
「まあ、そんな感じです」
「ということは、人はひとつのことでしか悩めない、ということになりませんか?」
「ん? それが何か解決策になるんですか?」

「100の悩みがあっても、目の前に立ちふさがるのはひとつです」
「それはどうなんだろう。二つも三つも悩みはありますよ」
「いえ、心騒がせることは多くても、首を絞めつけてくるほどの悩みはひとつのはずです」

僕は目を閉じた。妖精の声はしない。僕は静かに考えた。そして目を開けた。
「そうかもしれません」
「残りの99はあなたの心が消したのです」

「意味が分かりません。それに、世の中には解決しない悩みもあります」
「ありません」妖精はにっこりと笑みを浮かべながらも断言した。

「10年前のことであなたは悩みますか? 5年前のことではどうでしょう?」
「悩みはしません。悔やむことはありますが」
「それはもう、悩みでありません。それをあなたは、すべて解決してきましたか?」
「覚えていません」

「すべてを解決などしてきてはいないのです。解決しなくても消えるのが悩みです。悩むも悩まぬも、あなたの心が決めます。明日を切り開く答えはすべて、あなたの手の中にあるのです」


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2011年3月11日なにしてた? ブログネタ:2011年3月11日なにしてた? 参加中

2011年3月11日から5年の月日が流れました。今年は曜日もぴったり金曜日。
あの日は部屋にいました。

夜勤明けだったのか、それとも休みだったのかは記憶していません。当日金曜の夜は当然のことながら仕事でした。

あまりにも大きな揺れに部屋を出ました。多くの人たちがやはり外に出ていました。十字路の角角に集まり様子をうかがっていました。

部屋に戻ることは危険と考えた僕は歩き回りました。古びた建物の壁がごっそりと剥がれ落ちていました。

商品がことごとくなくなりましたね。煙草さえ入荷しない状態だった。

多くの方たちがブログに書いているでしょうけど、いまだ復興ならず。
その昔、経済は一流、政治は二流と言われましたけど、ここまで来ればもう三流のそしりは免れないでしょうね。

政治家と官僚どもの頭の中はどうなっているのでしょう。
なぜに原発再稼働などを画策するのでしょう。

けれど、それによって職も生まれ地元が潤うということもまた事実でしょうから、第三者の僕があまりとやかく言うことではないのかもしれませんが……。

ブログネタから外れてしまうけれど、1945年3月10日の東京大空襲から71年が過ぎました。

僕の短編小説【翳(かげ)りゆく愛に「12」】で主人公に語らせました。
興味のある方はどうぞ。

自然災害は怖い。けれど、人間も怖いものです。


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ジャズは4ビート(1小節に4分音符が4つ入る4拍子の曲)が多いのだけど、とても有名なこのTake Five は5/4拍子だ。

ジャズには多くの曲があるし、また多くの曲をジャズ風にできるのだろうけれど、唯一取り替えることができないのは奏者だ。

なぜなら、奏者は君だから。

少し上を見上げてごらん。
もう少し胸を張ってごらん。
頬に笑みを。

あ、最高だよ!

奏者は君。君の代わりはこの世に存在しない。
絶対に!

耳を澄ませてごらん。君の心は、何か訴えてはいないかい?
さ、一歩踏み出そう。恐れなんて踏みつぶせ!

息を吸ってごらん。ゆっくり吐いてごらん。

それでも君ができないのなら、さてさて、僕が踏みつぶしに行くか。少し待っててね。

あ、慌てすぎてスリッパ脱げちゃった……。

Dave Brubeck - Take Five



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ネットで人と知り合ったことある?【投稿でドットマネーがもらえる!】 ブログネタ:ネットで人と知り合ったことある?【投稿でドットマネーがもらえる!】 参加中
↑↑↑この間も書いた気がするけど、ドットマネーってなんでしょか? ま、いいけど。

何年前だったろう、20数人でオフ会をしましたね。その前にも何人かに会って、その延長線上でオフ会が開催されたんだ。
それこそ、北から南から、日本中から集まった感じだった。

中にはネット上でも知らない人もいたけど、大人数になるとそれは当然だね。場所は池袋だった。お天気がよかったなあ♪

みんな想像していたイメージと違わないと言った人がいたけど、あ、それはまた違うときかな? ま、いいや。僕の場合ネットで抱いたイメージとほとんどつながらなかったかな(苦笑)

オフ会に出席できなかったSNSで親しい人にその様子をメールで送ったら、
「あ~るさん、ダンディ!」と言ってくれた人がいましたけど、感謝の言葉もない(笑)

今でも近しくしている人たちは、僕のことを「あ~るさん」と呼びます。僕は本名が嫌いだから、「あ~るさん」という呼ばれ方が大好きです。

そう、風神でもベルンハルトでもなく、「あ~る」です。
「~」って言葉に抑揚はつけなくてもいいです(笑)

あ~るぅ日! 森の中! 熊さんにっ! 出会ったッ♪
出会いっていいな♪ 熊はイヤだけど(笑)

僕は帰宅して着替えないままこのブログを書いた。
はよ着替えなさい! と一人突っ込み(爆)

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今日は初夏のような陽気だった。全国的にそうだったのかな?
でもまた明日から気温が下がるらしく、お天気も下り坂。
東京は冷たい雨になりそうだね。

春うららのうららって、麗らって書くんだね。知らなかった。
知らないことだらけだなあ……。

みぞれ混じりの春の宵
二人コタツにくるまって
ふれあう素足がほてりほてり
誘いかけよか待ってよか


梅の花を見ることはついになかったな。



緑萌ゆる春の陽気と、冬の名残の春まだきは繰り返すんだね。

さ、今夜も睡眠不足の夜になる。
みんなのブログを読んでいる時間がないのがかなり残念だけど、さっき帰ってきたのに、もう寝なくちゃならない。

そんな中で、何の構想もない白紙の状態からブログを書くのも大変だなあ。まあ、いつものことだけど(笑)

おやすみなさい。

春うらら/田山 雅充


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まっすぐな道に曲がりくねった道。
見上げるような上り坂に、うんざりするほどの下り坂。

そよ吹く風に頬を弛める日もあれば、
肩濡らす雨に眉をしかめる日もある。

月に叢雲、花に風
名月の夜には雲がかかってせっかくの月が見えず、満開の花には風が吹いて花を散らしたりする。
転じて、良いことにはとかく邪魔が入りやすく、思うようにはいかないということ。
「叢雲」は「群雲」とも書き、群がり集まった雲のことをいう。


思いって、一途って、なんだろう。
どこまでも続くように見えるこの道って、どこにつながっているんだろう……。


Ms.OOJA/最後の雨


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人は誰しも、何かの括(くく)りの中にいる。その中で、日々くるくると動き回っている。
それって、檻とかかごと考えてもいいのかな?

蚤(ノミ)ってさ、ぴょんぴょんと跳ねるでしょ。それを小さい容器の中に入れると跳ねても体が上にぶつかるんだね。やがて外に出して自由に飛べる状態にしても、その容器の高さ以上には跳ねなくなるんだって。

限界を知るというのとは違うと思うけど、自ら何かしらの制限を掛けてしまうんだろうね。

それがすべてだと思ってしまうから、その中にいると見えなくなるものがたくさんある。
僕も見失っているものがたくさんあるんだろうな。

岡目八目って大事なんだろうな。

「人は人 吾は吾なり 山の奥に棲みてこそ知れ 世の浮沈」
─by 高杉晋作─




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休みの日はあまり寝ない。理由は簡単、もったいないから。だって時間は有限だし。
夜帰ってきて、次の日の午後まで起きていることも珍しくない。

そして2~3時間眠って、また起きる。
夕方から晩酌を初めて、せめて6時間は眠りたいと思うのだけれど、それが守られないことも多い。
で、休み明けは疲れている(笑)

眠ると言えばヘミシンク。(不思議な飛躍だけど……)
何年も前からヘミシンクのCDを持っているのだけど、やるたんびに眠ってしまう。もう、絶対眠ってしまう。だから全然先に進まないまま本棚に眠っている。(僕ではなくCDがね)

知らない人のために簡単に書くと、ヘミシンクって左右の耳から違う周波数の音を聞く(バイノーラルビート)ことによって、うなり現象が生じるんだ。ウォ~ンウォ~ンって音が聞こえる。
そして「変性意識」に導くものなんだ。

「変性意識」って、打撃を極めた選手が「ボールが止まって見える」って、あれもそうじゃなかったかな?

要は深くリラックスした状態とか、瞑想状態とか、集中状態、知覚の拡大した状態とかに音で導くんだね。

そうなると遠くにあるものが見えたりとか、人が考えていることがわかったりといった状態に行けるんだ。

至高体験とか至福体験、あるいはガイドやハイヤーセルフといったスピリチュアルな存在を感じたりするんだね。



意識がもっと広がると、空間だけじゃなくて時間の制限も超えちゃう。すると、驚くことに過去にも未来にも行けるんだね。まあ、過去の場合は追体験するといった方がいいかな。

意識がもっと広がると〝あの世〟にも行けちゃうんだ。でもまあ、人って眠っているときはあの世へ行っているらしいけど。

で、そのCDを聴いていると、僕は眠ってしまうんだね。お金を無駄にしないでくれよ、僕の睡魔(苦笑)

今はずいぶんと安くなったんだなあ。
僕は日本のご本家から買いました。
AQUAVISION ACADEMY(アクアヴィジョン・アカデミー)

池袋東武百貨店内の旭屋書店にも売っていたなあ。
でも、ネットで同じものが安く買えるところがありそうです。中古品も出回っているようだし。

君は睡魔に勝てるか!(笑)

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僕がいなくたって世界は回るし、君がいなくたって世界は続く。

そんなの寂しい?

でもさ、これって改めて言うまでもなく真実だよね。

それほど自分自身がちっぽけだってこと?
取るに足りない存在だってこと?

ううん、違うんだ。それはグローバルな世界の話。

誰にとっても自分の周りの世界が世界のすべてなんだ。
だから、世界の中に君がいるんじゃなくて、君がすべての始まりなんだ。

始まりって何だと思う?
そう、神はじめに天地を創りたまえり。

僕が、君が、周辺の世界を作ってるってことなんだ。僕たちは神なんだ。
僕や君がいなくなった世界は、霧のようにたちまち消滅するんだ。だって世界の主がいなくなったんだから。

ため息や呪詛の言葉は、君の世界を灰色に変えるんだよ。

笑おう。
苦しくたってさ。

たぶんそれが、自分のために生きるってこと。

大切なものは、失って初めて気づく。
不平を口にするより、今あるものに感謝して生きてみようか。

僕もそうするよ。
君があまりにも無邪気に笑うからさ。


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