風神 あ~る・ベルンハルトJrの「夜更けのラプソディ」 -87ページ目

海に近いところに住んでいる人なら、かなりの確率で耳にしたことがあるかもしれない話。

あせもは海水で治せ!

あせもって確か、汗の穴がふさがって汗が詰まって膨らんだものなんだよね?
子供のころあせもができると、海に行けって母親に言われたものです。



あくまで民間療法だから誰にでも効果があるものとは思えないけど、僕の場合は効きました。

人によってはアトピーにも効果があったなんて話もあるけど、確証はありません。あくまで民間療法だからね。

でも、海が近かったらやってみる価値はあるかも。
海に車で行く機会があったら、ポリタンクに詰めて持って帰るとかさ。
湘南はやめた方がいいかもね。

夏は恋の季節。
灼けるような暑さが僕は好きです。


夏をあきらめて/研ナオコ



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「帰っちゃったわね」今三人を見送ったばかりの玄関のドアを、美紀子が寂しそうに見つめる。

「うん。たいして広い家でもないのに、なんかガランとするな」
「さて、洗い物しなくちゃ」美紀子が両手をテーブルに付いて、グイと体を押し上げた。
「あなた、まだ飲むんでしょ」
「いいよ、自分で出すから」

「でもさ」洗い物をする美紀子がちょっと手を止めた。
「うん?」冷蔵庫から取り出したビールを片手に、少し丸まった後ろ姿を見た。いつの間にやら、お互い歳を取ったものだ。

「あれがもうちょっと大きくなって、チョロチョロ動き出したら、帰ってホッとするパターンよね」
「だろうな。気も落ち着かないしな。でも、かまってもらえるのも今だけさ。やがてじいさんばあさんの出番はなくなる」
「いやだ、じいいさんばあさんなんて……」振り向いて眉をひそめる。

「だって、孫から見たらじいさんばあさんだ」椅子に座りビールを開けた。
「まあ、そうだけど」
「ふたりきりというのもなんか寂しいな。翔次郎は音沙汰なしだし」
「まあ、男の子なんて、独立しちゃえばそんなものでしょうね」
美紀子が手を拭いてリビングテーブルに腰を下ろした。

「ふたりでいればさ」
「うん?」
「何もいらなかったのにな」

「あら、口説いてるの? 嫌だお父さんったら」
「熱でも出たか」俺は鼻で笑った。

「でも、ふたりでいれば、ほんと何もいらなかったよな」
「そうね。満ち足りてたわね。あなたと、あたしと、ナナハンの元祖、CB750Fourさえあればね」

「お前さ、こんな俺と一緒に生きてきて楽しかったか」
「何バカなこと言ってんのよ。決まってるでしょ。だからここにいるんじゃない」

「じゃあさ、もう一回呼んでくれよ。昔みたいにさ」
「ふうん。じゃあ期待に応えて、行くよ」
「どぞ」
「あっくん……てへへ」





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「名前を付けてほしいって」
「名前? 孫のか」

ネクタイを解くと、上着を腕にかけた美紀子がネクタイを手際よく引き抜いた。
「当たり前じゃない。となりんちの猫の名前を頼まれるわけないでしょ」

「断りなさい。名前というのは、子供の将来を考えて、親が頭を悩ませてつけるものだ」
「あたしもそういったんだけどね。卓実君がアニメの妙な名前を付けそうだから阻止してくれって。お父さんが名づけると言えば文句はいなわいだろうしって」

「アニメ?」
「そう、ルフィに当てられる漢字を探してたりするらしいの」
「なんだそれ」
「ワンピースよ」



「ああ、タイトルだけは知ってるな。女の子だったらどうする気だ」
「女の子の名前もアニメらしいのよ」
「単なる馬鹿だな」

ひと風呂浴びて、注がれたビールを一息で飲み干した。
「もうちょっと、ゆっくり飲みなさいよ」
「一杯目はこれがいいんだよ」

「ソフィアとはな」
「ルフィよ」
「同じようなもんだよ。このチキン旨いな」
「チキンステーキにね、ガーリックチーズをのせてオーブンで焼いてみたの」



「そか。うん、美味しいよ」
「あなたのいいところはそこね」
「なに」
「すぐにほめるところ」

「だって、旨いもんを旨いというのは自然だろ。さ、一本電話してみようか」
「どこに」
「ルフィ君にだよ」美紀子が顔をクシュクシュにして両手でぱっと腹を抑えた。そんなにおかしいか?

携帯を取り娘の電話番号を押した。

「お父さん?」
「うん。お母さんのわけはないな。ルフィ君はいるかね」
日南子が電話口で、ぷっと吹いた。
「ええ、いらっしゃいます。辞書片手に」

「あ、お義父さん」
「ルフィ君かね」
「はい?」
「ルフィ君だろ?」
「あ、あ、え?」
「ルフィ君と呼ばれて気持ちいいかね。孫の名前は俺が考える。以上だ。日南子に代わってくれ」

「まずは男の子の名前は、千代の富士でどうだ」
「馬鹿じゃないの」
「もおー冗談だってばさ」


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「俺は嫌だからな」
「そんなこといったて、娘の晴れの舞台なのよ」
「嫌なものは嫌だ。なんでウエディングロードを娘と歩かなければならないんだ」
「そういうもんなんだって」

「だって、おかしいだろ? 日南子を連れてあんなこと歩いて、挙句の果ては男に渡すんだぞ。欲しいのなら向うから来て頭を下げるべきだろ」



「だからあ、そういうもんなんだって。それに、卓実君を男なんて呼んじゃダメよ、息子になるんだから」

「別に教会式でやるって決めたわけじゃないからさ。まあ、お父さんの意見も考慮に入れておくわ」日南子が呆れた顔をした。

俺は、うんうんと頷いてからビールを飲みほした。

「お父さんってさ」お前が日南子を見る。
「なんか、どんどん頑固おやじになっていくわね。若いころナナハンを飛ばしてた、笑顔の素敵な人とは思えないわ」

「ナナハンとこれとは関係ないだろ」
「おおありよ。あたしはナナハンにまたがるあなたに惚れたんだから。あれが自転車だったら今頃違う子供を産んでるわよ」

「お前、そんな言い方はないだろう? 日南子と翔次郎に申し訳ないとは思わないのか」

「なんか面倒くさいから、あたしもう寝るわ」日南子があくびをした。

「それにさ、二人が一方的にあたしを生んだんじゃなくて、あたしが二人を親と決めて舞い降りてきたんだからね。あたしの意志を無視しないでよね」
リビングの椅子から立ち上がった日南子が、パジャマの尻を掻きながら歩き去った。

「若い娘が、尻掻くなって」
「痒いもんは痒い。夜痒くても浅香唯」
「なんだそれ」
「さんま。おやすみ」
「はい、おやすみ」

「俺はさ、ナナハンの前にはカワサキのボブキャットに乗ってたんだ。125㏄な」
「それ、今言う話?」

「ちょっとじゃじゃ馬だったけど、なかなか、いいバイクだった」
「あたしも、もう寝るわ」
お前の後ろ姿は、少し怒っていた。

「美紀、ビールもう一本飲んでいい?」
「いいけど、それで終わりにしてよ」
「うん」




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「日南子がね、幼稚園で毎日泣いてるんだって」お前は憂い顔で俺を見た。
「え! なんで!?」

「お母さんがいないって、毎日泣いてるんだって。先生も困ってるみたい」
「そうかあ……案外内弁慶なんだな。でもなあ……かわいそうだけど、こればっかりは慣れてもらわないと先々が大変だしな」

お前は、だよねえと頷いた。

幼稚園を決める際は、二人で近隣を自転車で回ってみた。もちろん俺の自転車の前には日南子が、お前の前には翔次郎が座っていた。だから、正確には四人なのだけれど。

どれもこれもピンとこない中、園庭が広くて、遊具も緑も多い幼稚園があった。
「ここ、いい!」二人の意見は一致した。それがいま通っているところだ。



「公園で遊んでた子たちの中で、あそこに通ってるのは、たっくんとまゆちゃんぐらいしかいないのよね。たっくんは優しいんだけど、へなへなしてるし、まゆちゃんは気が強いしね。だからあまり気は合わないみたい」

「辛抱だな。俺たちも、ひなも。甘い父親の意見だろうけど、抱きしめてやれ」
「うん、分かった。翔はマイペースで大丈夫そうだけどね」
「ああ、あれは大丈夫だろう」

リビングテーブルの灰皿で煙草をもみ消し、二人の寝顔を見るために、隣の部屋のベッドに向かった。
そっと腰をかがめ、日南子の寝顔を見た。

人は生まれて、人々の中で生きていく。慣れない他人との付き合いは、明らかにストレスのひとつだろう。

苦労してるな。最終最後は、どんな手を使ったって、お父さんとお母さんが守ってやるからな。頑張れよ日南子。
娘の頬を指の背でなでた。


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北極ラーメンがリニューアル発売されましたね。以前よりカップが大型になりました。
味はどうなんでしょうか。

ということは、僕は食べていないということです。興味津々だけど、ちょっと手が出せません。蒙古タンメンは食べたことがあるけど、味は忘れました。感動薄ッ!


これは2年前に発売されたサイズです。今月限定発売のものは右の蒙古タンメンと同じサイズ。


好きで中本に通っている人なんて、大喜びして大人買いしたそうです。

でも、異常に辛い物って、胃とか腸とか、お尻とかによくなさそうな気がします。

それに、味蕾(みらい)が壊れるって聞いたことがあります。
味蕾が壊れるということは、味音痴になっていくということですかね。

まあこれに関しては調べたわけじゃないから何とも言えません。
辛さは味覚じゃなくて痛みだから、実際問題として、味蕾への影響はどうなんでしょうね。

でも、胃とか腸とかには、明らかに悪そうだなあ……。

インスタントの辛ラーメンは好きだったな。
お湯をうんと少なくして作るんです。余計辛いはずなんだけど、スープはちょい飲みする程度なので。



北極ラーメンを食べた人の感想。
「美味しいけど、辛くて食べられない。もう二度と食べない」
中本の北極ラーメンおそるべし。

食べた方、ご感想をお願いします。


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鍋も食べ終わり、きれいに片づけたこたつの上に、ボールペンで走り書きした紙を滑らせた。
「健次郎? なんか古臭くない?」
「逆に、今の時代じゃ個性的でいいじゃないか。すぐに覚えてもらえるよ」



「あたしはねーしょうのじを入れたいんだ」
「しょう?」
「そう、これよこれ。えーとね……あぁ……書けない」
君はあきらめてボールペンを置いた。

「飛翔の翔」
「おいおいおいおい、待ってくれよ。それって流行りじゃないか。クラス中、翔だらけになっちゃうよ」

「だから、翔に続く文字で工夫をすればいいのよ」



「ううむ……しょうの字に続くといえば、翔之助はどう」
「苦し紛れに何それ? 行司!? 息子を行司さんにする気なの? はっけよいなの!? 冗談よねえあっくん」
「まあ、軽い冗談だけど」
「まじめに行こうよ」

「じゃあ、翔左エ門は」
「しょうざえもん? 歌舞伎!? いちいちアクションの大袈裟な子にしたいの」
「まあ、冗談だけど」
「ま、それはわかるけど」

長女の日南子には一も二もなく賛成したのに、そこは女性なのか、男の子の名前にはこだわった。
その日南子はレゴで遊んでいた。

議論の末、翔次郎と命名した。

「ま、いいわ。あたしは翔ちゃんって呼ぶから。ひなちゃん、パパは強情よね」

強情の意味など分からないはずだけど、レゴを持った日南子がにこりと笑った。
「ごうじょー。パパはごーじょー」

未来は、俺たちの前に洋々と広がっていた。


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参院選の結果はさておき、永六輔さんがお亡くなりになりましたね。
享年83歳。大往生と言いたいところですが、あの方まだまだやりたいことがたくさんあったような気がします。

僕が働いていたお店に、月に一回トークショーをやりに来ていました。永さんのステージの日はいつも満員でした。
毎回同じ話なのに、笑ってしまうんですね。
これって落語と同じだなと思いました。一種の話芸でしたね。

中村八大さんはいつもお酒を飲んでステージに上がっていました。ピーコさんも顔を出していましたね。八大さんは赤い顔して、まるでお猿さんのようでしたが、それに比べて永さんはプロを感じました。

病を得て思うように活動できなかったらしく、悔しかったろうなあと思います。
晩年の写真を見ると悲しいからとても掲載できません。

坂本九・中村八大・永六輔

これで六八九がすべてこの世を去りました。
向うで再会を喜んでいるんでしょうか。再会にはまだ早いかな。

ご冥福をお祈りいたします。

僕が知っているのは、まさにこのころの永さんですね。

CNNデイウォッチ 


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そうだ、伊豆にも行ったね。戸田(へだ)にも行ったし土肥(とい)にも行った。下田から遊覧船にも乗ったね。

雲が流れてきたのか、窓外の景色が少し陰った。

あれはどこの帰りだったっけね。凄い渋滞に巻き込まれたんだよね。



日も暮れた海岸線は車の列だった。
熱射の余韻の残る中を、CBナナハンは車列の横をすり抜けて走った。

「これー! 車だったら大変だったね!」
フルフェイスのヘルメットのせいで、こもった声が後ろから聞こえる。
「んだな!」

このまま順調に抜けられるだろうと思った、その時だった。車幅の大きいトレーラーが目の前に立ちふさがっていた。通り抜ける隙間はない。

「やられちまった」
「なに!」
「見ろよ」
体が左へ持っていかれる。
「おっきい!」
「うん。それは原因で、結果は抜けられないってことさ」

しばらくとろとろと走っていると、右手に坂道が現れた。何の確証もなかったけど、俺はウィンカーを出してその道へと入った。

とどまるは後退に等しい!

「近道!?」
「いや、わかんない!」
呆れたのか、君からの声は返ってこなかった。ただ、しがみつく力がぎゅっと強くなった。

「たくさん付いてきたよ!」君が声を大きくする。
「見えてるよ!」

ミラーには後ろに続く車が何台か見えた。
「やばいなあ……」
ナナハンの品川ナンバーを見たに違いない。車が付いてきてしまったのだ。その車に引き寄せられるように、車が続々と坂を上ってくる。このまま山の奥まで連れていかれそうな、胸を突くような急な上り坂だった。

これが近道じゃなかったとしたら……。
だって、愛車CBナナハンの前に車などはまったく走っていないのだ。それは自己責任、などとクールに割り切れない俺は、責任感につぶれそうだった。

坂を相当上り詰めたころ、視界が白く曇った。
「霧だ!」濃霧があたりを白く染め始めたのだ。ライトは濃霧ばかりを照らし、スラロームのように続く道が見えない。
フルフェイスのヘルメットも曇ってきた。

「美紀ちゃん! メットこすって! 前が見えない! やばいぞこれ!」
右手が伸びてきて、景色を見せた。でも、依然として前は見えない。

「二人羽織!」
事の重大さを知らぬかのように、君のはしゃいだ声がした。

いつだったか、君は言った。
あたしのために頑張る必要はないのよ。あたしはあたし、あっくんはあっくんだから。二人で一緒に、時々は交代で頑張ればいいのよ。

君はいつもそうだった。俺の肩の力を抜いてくれたんだ。


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「ここはさ、冬はスケートリンクになるんだよ。その時期に来たことはないけどね」
「へえ、そうなんだ」

ひと泳ぎした後、プールサイドに敷いたバスタオルに座って、青く揺らめく水面と、それよりもっと青い君の水着を見た。



「フジヤマの飛び魚って、知ってる?」
「何それ」
「古橋広之進って水泳の選手。その人がさ、世界新記録を連発した場所なんだ。戦後まもなくの話だよ」

「そんな時代の人、知るわけないじゃない」君は俺の手を叩いて笑った。
改めて神宮プールを見渡した君は、「だから観覧席があるのね」と頷いた。

「昭和22年の日本選手権のことだよ。古橋は世界新記録を打ち出したんだ。その翌年だったかな、参加を許されなかったロンドンオリンピックの、同日、同時刻に開催された日本選手権で、オリンピックの優勝者よりもはるかに上回る世界新で2種目を制覇したんだ。古橋は、手にしたはずの二つの金メダルを取れなかったんだ」

1949(昭和24)年6月15日をもって(財)日本水泳連盟は国際水泳連盟(FINA)に復帰を果たしました。

まもなく、邦人の多いハワイから日本の水泳に招待が来たのです。それで日本は、「どうせならアメリカ本土(ロサンゼルス)にも行って、全米選手権に出られれば」と考えて先方へ電話すると、あちらは「ウエルカムだ」と。

それで初の海外遠征が決まり、代表選考を兼ねた日本選手権の結果、日大勢(浜口喜博、橋爪四郎、丸山茂幸、私)と、早大勢(村山修一、田中純夫)の6選手が選ばれました。大会には天皇・皇后両陛下もお見えになり、私たちを激励してくださいました。

地元紙は「日本の時計は周りが遅い」「プールが短い」など、私たちの記録にもケチをつけ、私たちを蔑称の「ジャップ」で呼びました。

─古橋広之進回顧談─


「だからここは、水泳のメッカなのさ。球児たちの甲子園と同じようにね」

俺たちの夏は、この明治神宮水泳場から始まった。


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