福島大学経済学会の「商学論集 1995年9月 第64巻 第1号」という純然たる学術論文集に、とある論文が掲載された。
<研究ノート>
「生きがい」の夜明け:
生まれ変わりに関する科学的研究の発展が人生観に与える影響について。─福島大学経済学部助教授 飯田史彦─
上記の論文「生きがいの夜明け」発表後、1996年には「生きがいの創造」が出版され、「決定版 生きがいの創造」、文庫版の「完全版 生きがいの創造」へと加筆修正されている。
その他の生きがいシリーズの多くも僕は読んでいるけれど、「生きがいの創造」に関しては、最初に出版されたものしか読んでいない。

─完全版 生きがいの創造─
これでもし、最終版なんてものが出たら、笑うしかありません。
ご本人のブログによると、加筆する前のものは回収したいほどだという。
*何年かぶりにブログを開いてみたけど、相変わらず飯田先生はセンスがありません(笑)
「
飯田史彦研究室」
まあ、人様のブログの出来栄えは云々は置いておくとして、「生きがいの創造」は、これまで一体何冊、人に差し上げただろう。
あいにく持ち合わせがない時は、自分の本も送った。ただし、やみくもに送ったわけではない。これがいま必要と思われる人にだけ、送ったり手渡ししてきたのだ。
あの世、生まれ変わり、この世に偶然や無意味なことなど起こらないことを、信じるも信じないも本人の自由だ。
けれど、この手の話に関心を持つことなく過ごしてきた人には、死生観のみならず、人生を変えるほどのインパクトがある本だと思う。だからこそ僕は、必要と思われる人だけに限ったのだ。
いつもの如くに手元に残っていなかったから、「決定版 生きがいの創造」は2冊買った。一冊はもちろん人にあげるため、もう一冊は自分の書棚に置くため。

─決定版 生きがいの創造─
そして、自分のために買ったその一冊も、一度も開くことなく、やがて近所のクロネコヤマトから発送されることになる。
だから僕の書棚には、その日以来「生きがいの創造」が抜けたままだ。
かつてこの本を、人づてに貸したことがある。反応が良かったため、手持ちのシリーズを次々と貸すことになった。
出会いと気づきは違うと感じさせる瞬間だった。出会っても気づかなければ、それは出会わなかったと同じことなのだから。
すっかりファンになったその人は、「飯田先生に手紙を書こうかなあ」と口にしていたという。だから僕は伝えるように頼んだ。「ぜひ書きなさい」と。
その手紙はのちのシリーズの一冊、「生きがいのネットワーク」に掲載された。
先天性の病で、幼いわが子を亡くしたその若き母親を、この本は救った。一切の反応がなく無駄と思われた僕の行動も、それだけで報われた思いだった。
後年、すれ違い程度にその母親に会ったことがある。新たなる我が子を抱いたその母は嬉しそうで、楽しそうだった。
僕の手から渡った本であることを知らないその人とは、それに関する話は一切しなかったけれど、その子が、亡くした子の生まれ変わりだと信じていただろうし、僕もそれに違いないと思った。
そして今、ふと思う。僕の役目はあの時に終わっていたのではないかと。
だからというわけではないけれど、僕の書棚に「生きがいの創造」が復活する日はこないだろうと思っている。
「
短き夢に」の主人公にも読ませたい本です。
これにて「天からの声」はひとまず終わります。
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