風神 あ~る・ベルンハルトJrの「夜更けのラプソディ」 -83ページ目

今日は責任者が不在になる店にヘルプに出た。
すべてのことを把握しているわけではない店舗への手伝いも大変なのだけれど、不在の間に、自店の売り場がズタボロになるのが目に見えている。

抜ける時間が長いのか短いのか、店舗の責任者さえわからない状態で、僕のヘルプは結局4時間半にも及んだ。
帰ってみると案の定というか、予想以上のありさまだった。
まあ、それはしょうがない、僕が一人分人員から減っているのだから。

修復に走るけれど、なかなか進まない。
時間だけがどんどんと過ぎてゆく。

今日は(まあ、昨日だけれど)いつもより終業の時間が一時間半遅いシフトだったにも関わらず、追いつかない。

手を止めて発注もしなくてはならない。
そして、その手を止めて売り上げの入金にもいかなければならない。

ん百万というお金を小さなバッグに入れて、それを左手で無造作に下げて店を出る。
大事そうに小脇に抱えたら、スッと抜かれてしまうから、左の指先を巻き込むようにして掴んで繁華街を歩く。

急ごうにも人通りが多すぎて思うように進めない。
入金を終えて店に帰り着いたときは、リミット10分。
無理だと思ったけれどタブレットを手に必死で打ち込んでいく。

「Excúse me」声がかかる。
もう僕はExcúseなんてされたくない。
それでも僕は、はい? と口角を上げる。

ヘルプに出たおかげさまで、休憩が取れていない。
お腹がすきすぎて気持ちが悪い。時間だけがどんどんと過ぎてゆく。

乗ろうと思っていた電車はあきらめた。
次の電車が8分後、これが最終最後のリミットだ。代わってくれる人はいない。

そのとき、ストアコンピューターがうるさく音を鳴らす。
何かの承認が取れていないらしい。

僕は自分の暗証番号を打ち込み、一面一面承認をしていく。
時間がない。

店は騒がしい。夜中にもかかわらず、会計の行列は延々と続く。
すべてが僕を追いつめていくようだ。

今日の退勤から明日の出勤まで10時間の猶予しかない。
僕の命の時間が失われていく。

それでも僕は、ブログを書く。
自分の生きている証のために。


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どうしてこんなに悲しいんだろう/ 吉田拓郎



入り口にのれん、店内に入ると赤い丸椅子に赤いカウンター、申し訳程度のテーブル……。
お分かりのように、こじんまりとした中華屋さん。メニューはといえば、ラーメン・餃子・中華丼・天津飯・レバニラ定食etc

年がら年中インスタントラーメン男である僕には、めったにできない贅沢である。それはもう、ウキウキワクワクで暖簾をくぐった。

カウンターに座った僕は、見慣れぬメニューを発見した。客は他に誰もいない。

ほほお、固ゆでの焼きそばか。
麺は何でも固ゆでが好きである。いわゆるアルデンテ。
僕はそれを注文した。

そして、それがカウンターに乗った。


↑↑↑↑この写真、あんが足りない感じかな。

あ、え? 嘘でしょ?
五目あんかけの乗ったそれの麺はベビースターみたいだった。

店主がなにか間違いを起こしたのだろうか。
それとも、これに何か、温かいスープをかけるのだろうか。

ぼくは気取られぬように、目だけでカウンターの上をくまなく見た。
けれど、それらしきものは何もない。店主ももう仕事を終えた風情だ。

うそだろ……これって、ぜったい嘘だろ?

それでも僕はそれを箸で取った。
お、あんかけの下はいくらか柔らかくなってる。
このまま食べても平気なんだろうか。恥をかかないんだろうか。

定食か中華丼にしておけばよかった。
パニックのせいか、何の味もしなかったように記憶している。

これがかた焼きそばとの初めての遭遇だった。
こうして僕は大人になっていった。

けれど、それ以来注文したことがない。
あの形状の意味がいまだに分からない。その存在理由も。

千円札一枚を握りしめたあの日の僕の心には、強い夕立が降り続いた。

夕立/井上陽水



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「おお~これかあ」僕はそいつの部屋の片隅にあるギターにしゃがみ込んだ。
「ヤマハなんだ」
「奮発したなあ、俺のなんか、なんだかよく分からないメーカーなんだよ。佐々木、なんか弾いてくれよ」

「今練習中なんだけど」そいつはギターを抱えて四畳半のアパートに座り込んだ。
「いくよ」

「灰皿は?」
「タイミング狂うなあ。缶、缶、そこの缶」



何の曲を弾くんだろう。煙草に火を付け目を閉じた僕は、音を耳にしたとたん下唇を突き出した。

「もしもし、もしも~し!」
「なに?」
「佐々木さあ、なんでドレミなんだよ」
「だから、練習中だって言ったじゃん」

「フォークギターだったら、普通コードから入るだろう」
「いや、禁じられた遊びが弾きたくてさ」
「白いヤギを連れた子供~って、それ、フォークじゃないじゃん」

「じゃあ、○○なんか弾いてくれよ」
「よっしゃ」僕はギターを抱えて窓辺に座った。
「ピック貸してくれよ」

僕は思い切り振り上げた肘から先をギターの弦にたたきつけるように、イントロを弾き始めた。

「お! 陽水! ○○のヘアースタイルにばっちりじゃん」佐々木はご機嫌そうに体を左右にゆすった。

「でさ、何で歌わないの」佐々木は不満そうだった。
「いや、歌はね、下手なんだ」
「だせッ」
「ほら、見てろ。Am E7 Amだよ。お前が歌え」

「腹へったんだけど」一曲弾き終えた僕は、物乞いでもするように佐々木を見た。
「唐突だなあ」
「なんかある?」さらに物乞いする。

「インスタントラーメンならあるぜ」
「それ、食おうぜ」

「うるさいわよあんたたち!」階下から、住人と思しきおばちゃんの声がした。
「やべ」

「す、すみません!」僕は見えてもしない相手に向かって頭を下げた。
「昼間から、何だと思ってるのよ!」

「東へ西へだよな」佐々木がぽそりと呟いた。
「おばちゃんに陽水はわからないな」俺も囁いた。
「昼寝をすれば夜中に眠れなくなるのは当たり前じゃないの」佐々木が小さい声でいう。

「そこが陽水なんだよ。ちょっとらりってるっぽい歌詞が多いけどな」僕も小さい声で答えた。

「怒られると、肩凝っちゃうな」佐々木が首をこくりとひねった。



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熱が出たとか具合が悪いとか、この数日欠勤が相次いでいる。
ひとりの欠勤者による負担増は半端ではない。これが、外人部隊の限界なのだろう。

かつて勤めていた会社で本部詰めをしていたころは、休むのは簡単だった。けれど、現場はそうはいかない。

もしも日本人がこうであったら、敗戦から立ち上がれず、極東の貧乏国に終わっていただろう。

話は変わって、アメリカ大陸に渡ったのはイギリスのプロテスタントたちでした。

見分けを簡単に言うと、牧師さんがいるのがプロテスタントで神父さんがいるのがカトリックです。
教義はどうした! 簡単すぎるぞ(汗)

カトリックは、キリストの言葉に従い金もうけを否定しました。けれどプロテスタントは違っていたのです。

歴史を書こうとしているのではないので、当時のヨーロッパ諸国の動きもここでは省きます。

職業に貴賤はなく、神の前ではすべてが平等である。全ての人の身分・職業・貧富などは神から与えられた運命であって、神の下には全ての人が平等である。

とてもかっこいいですけれど、それは白人に限ってのみ。インディアンや黒人奴隷は別だったのですね。

今もそうです。みなさんご存知のように、犯罪を犯した無抵抗の黒人が白人の警察官に簡単に撃ち殺される。それがアメリカという国です。

だから、沖縄で起こる悲しい事件も、反省などしているはずがないのです。

暴論といわれようと僕は思うのです。日本も核を持てばいいのだと。もちろん戦うためでなく、抑止としての核です。
そして、戦大好きなアメリカと距離を置くべきです。本来の意味の独立を果たすべきなのです。世界の平和のために。

もしも……アメリカ大陸に渡ったのがイギリス人ではなく日本人だったら。
アメリカ・インディアンへのジェノサイド(大量虐殺)も起こることなく、共存共栄を図ったことでしょう。

そして世界は、もっと美しかっただろうと僕には思えるのです。


そこにたどりつこうとあせってはいけない。
「そこ」など、どこにもないのだから。
本当にあるのは「ここ」だけ。
今という時にとどまれ。体験をいつくしめ。
一瞬一瞬の不思議に集中せよ。

それは美しい風景の中を旅するようなもの。
日没ばかり求めていては夜明けを見逃す。

─ネイティブ・アメリカン 聖なる言葉─




批判ばかり受けて育った子は非難ばかりします
敵意にみちた中で育った子はだれとでも戦います
ひやかしを受けて育った子ははにかみ屋になります

↑↑↑↑↑
目にしたことはありませんか?
これはアメリカインディアンの教えとして広まっていますが、インディアンとは無関係です。
「アメリカインディアンの教え」を翻訳した加藤諦三さんのせいもあるのかなあ……。

今日はこんなことを思った日でした。
昨日どんなブログを書きかけたのかさえ忘れています。(汗)

ちなみに、昨日アップしたブログの「狐の嫁入り」の物語。僕の創作ではありません。
あんな言い伝えもあるのを物語風に書いてみました。
時間に追われているせいか、僕のブログはいつも、何かを書き忘れています。

そうだ、純粋のアメリカ・インディアンは血液型が全員O型でした。
それから、頭の皮を剥ぐという習慣はインディアンにはありません。それをやったのは、虐殺の証拠を残す白人側でした。

もっと書き忘れていることがあるはずですが、時間がないので今日はここまでにします。
おやすみなさい。


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狐の嫁入りは、夜に遠くの山野で、狐火と呼ばれる無数の灯火が一列に並んでいる様子を、狐が嫁入りする行列の提灯に見立てて呼んだもの。
天気雨が降るときには狐の嫁入りがあるという俗言から、日が照っているのに雨がぱらぱらと降ることを「狐の嫁入り」と言うようになった。


─故事ことわざ辞典より─

夜のちょうちん行列は他の村からの嫁入りと相場が決まっていたようで、それが村人さえも知らないちょうちん行列だったら、狐が化かしている、などと言ったようです。ようはひとだまのことなのでしょうね。

まあ、これにも諸説がありますけれど。


「降らんなあ」男が天を仰ぐと村人たちもつられて空を見た。
「降らんのお。お日さんが眩しいこと眩しいこと」

「ほれ、村中の田畑が干上がってしもうた。命の綱の作物がまったく育っておらん。どうしたもんだ」
田圃はひび割れ、乾いた畑に土埃が舞っている。村中の草木も青みを失い、土気色に染まり始めている。

「神様が怒っておるに違いない」
「なんでじゃ? わしら、なあんも悪いことはしとらんぞ」
「理由はわからんが、怒りを鎮めなければならんのは確かじゃ」
「どうやってじゃ」
「生贄を差し出して、雨乞いをする」

「生贄?」
「何を?」村人は一斉に長老を見た。
「狐がよかろう」

「神さんは狐を喜ぶのだろうか」
「わからんが、このままではどうしようもない」
「山に行けば狐がおるのかな」

「いや、そこらにおるだろう。ほれこの間も人間に化けた女狐がおったろう、あれにしよう。吾作、お前が一番男前じゃ、この役はお前がやれ」

「いったい、どうすればいいのですか」
「見慣れぬ若いおなごが村におったら、それが女狐じゃ、そいつを騙して連れてこい」
「騙すと言っても、どうやってですか」
「お前に惚れさせて結婚を持ちかけろ。そして殺して生贄にするのじゃ」

惚れた男の本当の目的に気づいた女狐は、それでも嫁入りを決意しました。

お天気雨は狐の流した大粒の涙。そして、騙した若者の流した涙。



妙な天気が続いています。
順序的にお天気雨とはいいがたかったですが、雨の残るうちに日が差しました。

ブログを書こうと思っていて、ふと気が付くとベッドで寝ていました。
寒くて震えていました。

なにせ、帰ったらTシャツを脱いで、トランクス一丁でパソコンに向かうので、28度設定のエアコンでも効きすぎました。寝るとき用のTシャツも着ずに、皆様のブログをゆっくり訪問しようなんて目的も果たせずに……。

休んでいないせいか突如睡魔が襲ったようです。

書きかけのブログをやめて、急きょ狐の嫁入り。
今日は夕方からの仕事なので、そろそろ寝なくちゃ。


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まだ少女にしか見えない女性が目の前にいた。着ているのは黒を基調としたツーピース。タイトなスカートにはレースをあしらい、これからパーティーに出かけるような装いだ。

おしゃれでよく似合っている。

けれど、濃淡のグラデーションはあれど、上から下まで黒っぽいので、まるで喪に服するようにも見える。

その少女が僕に言った。
「馬鹿ねえ」と。

「もう8年も付き合ってるわね」瓜実顔の少女が僕を見る。
「付き合っていないよ」僕は見知らぬ少女の言葉を否定する。

少女の年齢で8年とは何だ。それにそもそも、知っているようで知らない人だ。
いや、知らないようで知っている人かもしれない。

そのあと、何か会話を交わしたけれど、憶えてはいない。
夢はこんなふうに、いつも霧の中。妙な夢だった。


真夏の通り雨/宇多田ヒカル



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「温められますか?」
もしもこれを、お店の従業員から訊かれたらどう感じるだろう。

これは温められるものかと、こっちに訊いてどうする?

どうやら当人は「温めますか?」と訊いているらしい。
完全に覚え違えているか、丁寧に言おうとして間違えているかのどちらかだろう。

外国人にとって日本語は難しいのだろうね。ま、僕が訊かれたわけじゃないけど。

「温められますか?」
僕が訊かれたらどうだろう……。

「イエス! 財布は無理だけどね。心はどうだろうなあ……ちょっと難しいかもねえ」
って満面の笑みで答えてみようか。いや、通じないな。

冗談はさておき、台風が直撃しそうな気配だ。実のところ、僕はニュースを見ていないから実感がわかない。

ネットで見ると、中心の気圧は985ヘクトパスカル……気圧はそれほど低くないから、大騒ぎするほどの台風ではなさそうだけど、なんでNHKはニュースを流さないのかなあ。

時間的に出勤時になるのではないだろうか。電車は大丈夫だろうか?
雪国の人になら鼻で笑われそうな雪でも、東京の電車はヘロヘロになるからなあ。

「温められますか?」
「うん。そこにある電子レンジと君の腕次第だね」


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僕はこの世に、何をしにやってきたのだろう。
このままでは、何もせずに終わってしまいそうな気がする。

こんなことのために生まれてきたのだろうかと、沈んだ気持ちになる。
自分のためにだけ生きるのではないようだと、ずっと感じてきたからだけど。

世界は悲しみと矛盾に満ちている。だからこそ面白いのだろうか。
僕はもう、悲しみなんて見たくないし、泣き声も聞きたくなんかない。

だからといって、それは必然的に起こるのだから、嘆き悲しんでも仕方がない。

あれよあれよという間に、終戦記念日が過ぎてしまった。
もう一度特攻を描いてみたいと思ったけれど、時間が許してくれないようだ。
実際に起こったことだから、小説並みの嘘は書けないからだ。


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左下の奥歯が抜けた。
もうだいぶ以前からぐらついていて、とてもものなんか噛めない状態だったのが、朝、歯磨きをしていたら抜けた。

その歯を手に取り、しげしげと眺める。
案外つやつやしているその表面に驚いたりして。

長いことありがとう。
僕は呟いてみる。

あの頃もそうだ。あの日も、あの時も、あの瞬間も、この歯は、何十年も僕の肉体の一部だったのだ。

君が生まれたとき、今は亡き父も母も若かった。
世界は狭かった。



色んなものを食べたね。悔しさにグッと噛み締めたっけね。
それが抜けて、無機質な塊になってしまった。

今まで鏡でしか見ることのできなかった歯が目の前にある。
それはとても不思議な気分だ。

それに何より、僕の歯だと思っていたのはその三分の一で、多くは埋もれていた根っこだ。
縁の下の力持ちだった歯の根っこは、生まれて初めて世界を見た。

僕が魂で、この歯は肉体。死んだら、横たわる僕の肉体を、天井辺りからこうやって見下ろすのだろうか。
そんなことをふと思ったりする。

そしてまた歯を手に取る。懐かしいものでも見るように。それは、何とも言えず愛おしい。

最後に、相棒だった上の奥歯にカチカチと当ててみる。もうそれは歯ではなく、上の歯にとっては遺物の感触だった。

さよなら言えよ。
僕はそっけない左上の奥歯に言ってみる。

ありがとう、僕の歯。
これは捨てずに、ずっと取っておくからね。

僕の肉体と一緒に焼いてもらうその日まで。


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奥原希望は残念でした。20センチの身長差に翻弄された感じでした。後は三位決定戦で銅メダルを手にしてほしいですね。




高橋・松友ペアは金メダルを獲りました。
第三ゲーム、追い込まれてからの怒涛の5連続ポイントは感動的でした。



ちょっと力が入って、疲れました。

あ、次はダチョウ倶楽部の寺門ジモンだ!



違った、吉田沙保里でした。この人は心配いらないでしょうね。



大好きな女子バレーは消えちゃったし……。
日本代表の山口舞、知ってますよね。
この人の飄々としたというか、ぽわんとしたというか、表情が好きですね。



それはどことなく、力みというものをまったく感じさせない松友の表情にも共通しています。

実生活において、力まない人ほど強いというのを、僕は度々感じ取ってきました。



昨日は夕方からの仕事だったのでリオ五輪のテレビを見ながらダラダラしていたら、凄い雷雨でした。


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