僕の頭の中でこの歌が流れ始めた。僕は何度も何度も口ずさんだ。もちろん、憶えているところだけ(笑)
「○丁目○番地」……確か、そんなタイトルの名前ではなかったろうか。もちろん番号は出てこない。
よく知っている曲なのに、ドラマの主題歌だったことさえ忘れていた。
きっとそうだ。「○丁目○番地」の主題歌だったはずだ。
さっき検索してみた。
「3丁目4番地」、合ってた。埋もれてた記憶ってすごいな。
なんていい歌なんだろうと、少年だった僕は思った。
それも、石坂浩二が作った歌。
俳優というのは一種の才能だ。けれど、歌を作るというのも凄い才能だ。
石坂浩二という俳優が歌を作ったことに、少年の僕は驚いた。
いま調べたところによる正確な情報は、作詞だった。
でも、すごいことだと思う。
作曲は坂田 晃一。知らなかったので調べてみた。
色んな人に曲を提供しているようだったけれど、僕がパッと分かったのは西田敏行の「もしもピアノが弾けたなら」だった。
舞台の中心は東京・本郷3丁目4番地にある下宿屋「木下館」。1971年1月2日から3月27日まで放送されていた『2丁目3番地』の続編で、浅丘ルリ子、石坂浩二、森光子ら『2丁目 - 』の出演者が引き続き本作にも出演し、役名もそのままの場合が多かったが、役名・役柄は異なることが多く、浅丘の役はラジオの人気DJ、石坂の役はかすみ(浅丘)の同僚アナウンサーなどに変わった。 『2丁目 - 』で夫婦役だった浅丘、石坂は本作では愛情物語を演じた(本作放送時には二人は実生活ですでに結婚していた)。また、本作では木下館の中にある古時計がモノローグを演じるという演出がなされ、そのナレーションを六代目三遊亭圓生が務めていた。 ─Wikipediaより─
ひょっとしてこれ、僕の音楽好きの原点ではないだろうかと、ふと、そう思った。
歌を聴きながらタイピングする。
終わって読み返して気づく。
1番の歌詞の「君」と2番の「君」は別人じゃないか、と。
「みんな君にあげる」の君は、分かれた女の人だ。
「夕べ枯れてた花」とは、過去の「君」との関係に違いない。
「今は咲いているよ」とは、現在の恋人のことだろう。
個人的には、微笑みだろうが、悲しみだろうが、別れてからそんなものあげられても迷惑だろうとは思うのだが……。
それは2番の歌詞「昇る朝日のように今は君と歩く」で証明される。過ぎた日と比して、今が強調される。
不思議なのが、そのあとだ。
「今のあなたにきっとわかるはずはないの 風に残した過去の冷めた愛の言葉」
あなたとは、誰だろう。君ではなく、あなたと呼び掛けるからには、視点が過去の女の人に変わったのだろうか。
しかし、唐突過ぎる。
今のあなたにきっとわかるはずはないの 風に残した過去の冷めた愛の言葉……。 視点が変わったと解釈して、過去の冷めた愛の言葉はおかしい。
女が心変わりしたら、男は何か言ったとしても、女はたぶん何も言わない。だから、「あなた」の呼びかけは男側としては、やはり成り立たない。
男が心変わりした場合の女の視点だとすれば、僕ならこう書く。
「今のあなたにきっとわかるはずはないの 風に残した過去のやさしい愛の言葉」
でも、いいのだと思う。
歌って、断片の言葉とメロディで成り立ちうるものなのだ。
それが証拠に、好きな歌とはいえ、完全に歌詞を歌いきれなかったりするものだから。
断片が、たったの一片が心に刺さればいいのだと、僕はそう思う。後の解釈は本人次第だ。
人は心の生き物だから、その一片をどのように解釈しようといいのだ。何かを思い出し、心を動かされ、時に勇気をもらい、時に涙すれば、それでいいのだ。
ビリーバンバンのハーモニーと相まって、結論は変わらず、いい歌だ。
そして思うのだ。終わっても、枯れない花もあるはずだと。
過ぎた日の微笑みをみんな君にあげる 夕べ枯れてた花が今は咲いているよ 過ぎた日の悲しみもみんな君にあげる あの日知らない人が今はそばに眠る 暖かな昼下がり通り過ぎる雨に 濡れることを夢にみるよ 風に吹かれて 胸に残る想い出と さよならをするために 昇る朝日のように今は君と歩く 白い扉を閉めてやさしい夜を招き 今のあなたにきっとわかるはずはないの 風に残した過去の冷めた愛の言葉 暖かな昼下がり通り過ぎる雨に…… さよならをするために/ビリーバンバン
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