夜の帳(とばり)が下りるころ、昼間とは違う華やいだ活気が街を覆う。
人々のざわめき、沸き起こる嬌声、乱れ行き交う靴音、遠くクラクションの音。
誰もがどこかに忘れ物。誰もがそれを忘れたふり。
今宵も泣き続けているのは、帰る場所をなくした心。
傘のない夜は雨に濡れながら、雨降りのことさえも素知らぬ顔で歩いてきた。
ささくれは、指に刺さった小さな棘は、触らなければ痛まないのだと覚えたから。
それがきっと生きるということだと、学んだから。
時がすべての傷を癒すのだと、今は知っているから。
眠れ、眠れ、時を忘れてひたすら眠れ。
明日はきっと暖かい。

たとえば僕がまちがっていても
正直だった悲しさがあるから……流れて行く
静けさにまさる強さは無くて
言葉の中では何を待てばいい……流れて行く
たしかな事など何も無く ただひたすらに君が好き
夢はまぶしく 木もれ陽透かす 少女の黒髪もどかしく
君の欲しいものは何ですか 君の欲しいものは何ですか
さりげない日々につまずいた僕は
星を数える男になったよ……流れて行く
遠い人からの誘いはあでやかで
だけど訪ねさまよう風にも乗り遅れ……流れて行く
心をどこか忘れもの ただそれだけでつまはじき
幸福だとは言わないが 不幸ぶるのはがらじゃない
君の欲しいものは何ですか 君の欲しいものは何ですか
流れる星は今がきれいで ただそれだけに悲しくて
流れる星はかすかに消える 思い出なんか残さないで
君の欲しいものは何ですか
僕の欲しかったものは何ですか
流 星/吉田拓郎
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