あー夏休み | 風神 あ~る・ベルンハルトJrの「夜更けのラプソディ」

SHOW ME」からの続きです。こうやって男は尻に敷かれてゆくのだ編。


ふたりだけの待ち合わせに、私はわざと遅れて行った。
というか、先に来て待ち合わせ場所を信号の向こうで見張っていたのだけれど。

美冴に種明かしをされたのは、帰る時だった。
「あいつね、あんたを見かけたことがあるのよ。あたしとさ、池袋のサンシャインに行った日よ。隣を歩いていた子は誰だ誰だってうるさくて」

美冴と男の策略に、まんまとはまった私。

しかし──時間が過ぎても現れない男。だめだなこりゃ。ルーズな男はだめだ。

と、その時だった。
ものすごい勢いで日向に飛び出してきた男がいた。右を見る。左を見る。そしてやおら右に走り出した。

なにやってんだか。

するとまた、凄い勢いで戻ってきてきょろきょろとして左に走っていく。
待ち合わせ場所をどちらかが勘違いした可能性も考えての行動だろうか。息遣いまで聞こえてきそうだ。



そして、トボトボと正規の待ち合わせ場所に戻ってきて、スマホを取り出す。それから、頭を抱えてしゃがみ込んだ。

残念! 連絡先教えてないからね。

もう少ししたら、あいつは美冴に泣きつく。約束に遅れちゃって! と。
よし、君の努力は見届けた。

私は歩行者に紛れて信号を渡り、くるりと回って彼の背後に近づいた。
「だからぁ──」やっぱり美冴に泣きついている。

「早いね」私はしゃがみ込む彼の髪をぐしゃぐしゃとした。
あ……。

「ずいぶん早いね。偉いぞ」立ち上がった男は、サンタが持ってきたクリスマスプレゼントを手にした子供のような目をした。

「あ、うん、早くきすぎちゃった。目覚ましが──あは」
こいつ、やっぱり悪い男ではない。

「あ、あ……梅雨が明けちゃったね」
「え? なんか残念そうな言葉遣いだけど」
「そか──6月だというのに、ついに、ついに、ほら! 梅雨が、明けちゃったぞー! 観測史上初! 見なよこの青い空を!」
「ちゃった、がダメなのよ」
「そ?」
「そう。表現がちょいちょいおかしい」

「ところでさ、90点になったかな」
「質問するの? 自信がないから? 僕に90点をつけさせてあげようと自信満々に言ったのは、あなただけど」

ふっ、ふっ「君の中ではすでに僕は、90点だ。待ち合わせにもすごく早く来たし」額に粒の汗を浮かばせた男は、かわいかった。

「46点かな」

あ……そ……そか……。
しばしばと瞬いた目が点になっている彼。

「50点満点で」

Hold me tight 夢とちゃうのかい
こんな出逢いは




「あー夏休み」(あーなつやすみ)はTUBEの楽曲で、通算11枚目のシングル。1990年5月21日に発売された。CDコードはCSDL3104、CTはCSSL3104、CDVはCSFM7022。また、同年6月21日には「あー夏休み オリジナル・カラオケ」をCD(CSDL3127)で発売。
表題曲は、JT「SomeTime LIGHTS」のCMソングであり、累計売り上げは約20万枚を記録。また、2013年7月には、1992年のライヴ映像を元にリクルートホットペーパーグルメのCMソングにも起用された。


─Wikipediaより─


湘南で見た 葦簾の君は
誰かれ振り向く切れ込み feel so Good!
夏の少女一度お願いしたいね

I love you 連発する 渚のオオカミboy
防波堤腰掛けて 灼けば鳴く蝉
熱冷めやらぬ二人飛び込む水の音

Hold me tight 夢とちゃうのかい
こんな出逢いは
夏の数だけ 恋したけど
It's all right 抱いたっていいんじゃない
焦げた素肌を

あー夏休み
チョイト泳ぎ疲れ 胸に
cool baby

夜は夜 そうね 浴衣に花火
瞳 読み切れない これじゃ time goes by

影が揺れてそっと うなずいたみたい
光るルージュ濡れて ふるえるよ I've got you

砂に埋めた涙 忘れてもいいね
ためらいは蚊帳の外 鈴虫も泣くよ

Hold me tight だって恋みたい
指がせつない
砂の数ほど 愛したいけど

It's all right 泣いたっていいんじゃない
粋な別れに
あー夏休み
チョイト終わらないでもっと
まだまだbaby

Hold me tight 夢とちゃうのかい
こんな出逢いは
夏の数だけ 恋したけど

It's all right 抱いたっていいんじゃない
焦げた素肌を
あー夏休み
チョイト泳ぎ疲れ 胸に
cool baby

Hold me tight だって恋みたい
指がせつない
砂の数ほど 愛したいけど

It's all right 泣いたっていいんじゃない
粋な別れに

あー夏休み
チョイト終わらないでもっと
まだまだbaby


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