きりこは「ぶす」な女の子。人の言葉がわかる、とても賢い黒猫をひろった。美しいってどういうこと? 生きるってつらいこと? きりこがみつけた世の中でいちばん大切なこと。
内容(「BOOK」データベースより)
小学校の体育館裏で、きりこが見つけた黒猫ラムセス2世はとても賢くて、大きくなるにつれ人の言葉を覚えていった。
両親の愛情を浴びて育ったきりこだったけれど、5年生の時、好きな男の子に「ぶす」と言われ、強いショックを受ける。
悩んで引きこもる日々。やがて、きりこはラムセス2世に励まされ、外に出る決心をする。きりこが見つけた世の中でいちばん大切なこととは? 読者からの熱烈な支持を受け、ついに文庫化。

きりこは、ぶすである。
この一行から始まる物語。
これで思い出したのが「春が空から降ってきた」で始まる、伊坂幸太郎の『重力ピエロ』だった。これはレビューを書いていないはずだけど、内容を忘れているのでやめておきます。
ちなみに春は弟の名前だったはず。
西加奈子は変わった小説を書く人だとは思っていたけど、これもそうだった。
異性に惹かれるのは、まずは外見。
テレビや映画で活躍する人たちなどは絶対そうだが、ファンたる人たちは、その性格に惹かれるわけではない。後々そうなることもあるだろうけれど、まずは外見だ。
外見と中身、容れ物と心、そのどちらかではなく、両方を含めての本人なのだと教えてくれているような小説だった。
2か所ほど、ふっと微笑む場面があったけれど、僕的には笑えもせず、感動もなかった小説だった。
ただ、後半はよかった。前半は何度読むのをやめようかと思ったぐらいだった。時間の無駄だとさえ思った。
頑張って読み終えた。
ファンの人が聞けば激怒しそうだけれど、もう、お腹いっぱい。
でも、容れ物に入って間もない、鏡を前に、戸惑い揺れる思春期の子たちにはいいかもしれない。
現実というのは、自分の思いよりも、いつも少し厳しかったりするから。
ひとりで笑ったり、一人で悔しがったり、ひとりで泣いたり。
それがふたりに、さんにんに、やがて多数になるかもしれないし、ならないかもしれない。
けれど、人は人、われは我なり。そうあきらめて明日を見るとき、ひとはきっと救われるはずだから。
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