雨が何もかもを洗い流してくれるのなら、ひとはきっと、雨のたびに生まれ変わったことだろう。
けれど、風に舞う小糠(こぬか)雨の中、うつむきながら歩いたあの日の記憶が消えない事実が、それは無理だと教えてくれる。
それが実は慈雨(じう)であったというテーゼに、いつか辿り着くときが来るだろうか。
そんな日が来ればいいと、ちょっとしかめた顔で空を見上げる。
荒井由実 / 雨の街を
夜明けの雨はミルク色
静かな街に
ささやきながら 降りて来る
妖精たちよ
誰かやさしくわたしの
肩を抱いてくれたら
どこまでも遠いところへ
歩いてゆけそう
庭に咲いてるコスモスに
口づけをして
垣根の木戸の鍵をあけ
表に出たら
あなたの家まですぐに
おはようを言いにゆこう
どこまでも遠いところへ
歩いてゆけそう
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