敗北の悔しさを片時も忘れられない香織と、勝利にこだわらず「お気楽不動心」の早苗。
相反する二人が、同じ高校に進学し、剣道部で再会を果たすが…。青春を剣道にかける女子二人の傑作エンターテインメント。
─「BOOK」データベースより─

まるで性格の違う香織と早苗、それぞれの視点で、物語は交互に描かれていく。
主役のふたりはもちろんだけれど、それぞれの家族、香織の師キリヤ道場の桐谷玄明、蒲生武道具店のたつじい。登場人物が魅力的に描かれている。
このシリーズは全四巻になっているようだけど、それぞれを主人公にした短い話が展開されても、きっと面白いに違いない。
香織の勝つことへのこだわり。
やがて生じる「迷い」
なぜそれを続けているのか。勝ちたいからか。始めた頃の幼かった自分の心には何があったのか。
ひたすら爽やかなわけではない。周りに人がいたらまずいぐらい、くすりと表情を崩し、時として涙をこらえ、そして、考えさせられたりもした小説だった。ふたりの掛け合いも面白い。
今日は全国的にいい天気で気温も上がった。自販機で買った冷えた缶コーヒーを飲みながら、ラストギリギリまで公園で読み、去年の夏以降足の遠のいていた川辺に向かった。

遠く霞むスカイツリー。心地よく吹く風。
ふぅーっと息を吐いて文庫本を閉じた。
どんな世代にも通用する小説だと思った。軽く読めるけれど、深くていい物語だった。
それぞれの世代が、それぞれの読み方の出来る小説。さすが、変幻自在の誉田哲也だった。
忘れることなく、警部補姫川玲子シリーズも続けて欲しい。
あってくれ、あってくれと祈りながらBOOKOFFに向かって、あったあったと続編『武士道セブンティーン』を買った。
108円のコーナーにあった、有川浩の『空の中』も買った。
一拍置きたい。並んだ料理の全部を食べなければならない時、僕は美味しいものを後に回すタイプだから。
だからといって、『空の中』を侮っているわけではない。読みたい本だったから。
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