遠くに聞こえる小川のせせらぎ。木々を吹き抜ける風の音。
柔らかな日差しと草の匂い。
突如飛び立つ雀の群れに驚く君。吹く風は君の心と髪を乱し、強さを増してくる。
静寂はすでに、セピアに沈む遠い思い出。
日差しに向かって歩いた日と、日差しを背負って歩く日々。
明るいことばかりではない人生の中で、誰もが手を伸ばし、何かを捕まえようとしている。
けっして捕まえられないもののように見えても、その手を、一生懸命に伸ばす。
歩く。歩く。
手を伸ばしながら、歩く。
時にまろび、時に血を流し、時に突っ伏せて泣き、時に天を仰いで運命を呪う。
差し伸べる手など持たないことを知っている君は、鼻水を垂らしながら立ち上がる。
ほら、光が近づいてきた。諦めなかった君に、柔らかな日差しが射す日が、再びやってくるんだ。

決して捕まえることの出来ない 花火のような光だとしたって
もう一回 もう一回
もう一回 もう一回
僕はこの手を伸ばしたい
誰も皆悲しみを抱いてる
だけど素敵な明日を願っている
臆病風に吹かれて波風が立った世界を
どれだけ愛することができるだろう。
Mr.Children「HANABI」
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