猫たちの戦争「2」 | 風神 あ~る・ベルンハルトJrの「夜更けのラプソディ」

隣町と戦争だって?
それはそれで怖いことだけど、何で猫がしゃべってるんだ?

「殿下、今なんとおっしゃいました!?」黒と茶のまだら模様のサビ猫が尾っぽを振り立てた。
ダメだ。みんなしゃべってる……。



「隣町と戦争だ」
「して殿下、その理由は!?」
「我らの公園を乗っ取られた。公園のぐるりを隣町の猫たちが見張り、誰も入れぬようにしている」
「な、なんと!」サビ猫が眉間を険しくする。



僕はお父さんに教えてもらったことがある。サビ猫ってメスしかいないって。でもこのサビ猫は気が強そうだ。何だか顔もキリリとしている。

「乗っ取られたとは、どういうことでしょうか? 隣町の彼らは自分たちの公園を持っていたはずですよね」チャトラが心配げに問いかける。

黒猫は風のように木を降りて、縁側に立った。
「詳しくは知らないのだが、奴らの公園で事故が起こったらしい。公園は一時閉鎖して全面的に作り直しをするようだ」

「先の戦争で、私のじいちゃんは死にました。戦争なんていやです」チャトラが憂い顔で首を振る。



「知っている。お前の爺は私の爺のよき先輩だったと聞いた。お前の爺の死に様は聞いている」黒猫が苦い思い出を辿るように澄み渡る空を仰いだ。


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